【一覧表付き】符丁の意味・使い方ガイド!古物市場で使われる専門用語まとめ
クローズドな古物市場では、競りに業界特有の「符丁」が使われるケースが多く存在します。
符丁を知らないと競りに参加できなかったり損をしたりしてしまうため、事前にしっかり把握しておくことが大切です。
この記事では、古物市場で良く使われている符丁の種類や、競りの流れについて詳しく解説していきます。また、正しい使い方や参加時の注意点についても紹介しますので、ぜひ競りへの参加時に役立ててください。
【符丁とは?】基礎知識と活用するメリット
古物市場で使われる符丁は、希望する買値を端的に表した専門用語です。まずは符丁の基礎知識や、符丁を覚えるメリットについて、詳しく紹介していきます。
古物市場で使われる「符丁」とは?
符丁とは、業界特有の金額を示す表現のことです。「競り」方式の市場は買い手が入札希望額を発声し、落札する形式でおこなわれます。入札希望額を発声することは「ヤリを突く」とも呼ばれており、狙った獲物を仕留める(競り落とす)ことが由来です。
符丁が使われる理由
符丁は競りの進行をスムーズにする目的で使われています。短い言葉でヤリが突けるので、金額をそのまま発声するよりも、スピーディーに意思表示できるメリットがあるのです。古物市場にはベテランも多く参加しており、好んで符丁を使う人もいます。
符丁を使えた方がいい理由
古物市場の競りでは、瞬発力が何よりも重要です。競り特有の数字や競り言葉を理解していないと、ベテランに勝つことはできません。良材に巡り会えたとしても競り落とすことができず、何も収穫できないまま終わってしまいます。
また、符丁をきちんと理解していない状態で使うことにより、桁や額を間違えて損をしてしまうこともあるでしょう。競りに参加する前には、符丁の表す金額をしっかり把握しておくことが重要です。
符丁の種類一覧
競りで使われている主な符丁は以下の通りです。
専門用語 | 示す金額 |
---|---|
センマイ | 1,250、12,500、125,000 |
イチゴー | 1,500、15,000、150,000 |
イチテラ | 1,550、15,500、155,000 |
ジュッカンメ | 1,650、16,500、165,000 |
イナゴ | 17,500、175,000 |
ニ(セン/マン) | 2,000、20,000 |
ホンサン | 2,250、22,500、225,000 |
ニーゴー | 2,500、25,000、250,000 |
サン(セン/マン) | 3,000、30,000 |
ニジュッカン | 3,300、33,000、330,000 |
ヒャッカン | 3,500、35,000、350,000 |
ヨン(セン/マン) | 4,000、40,000 |
シゴ | 4,500、45,000、450,000 |
ゴ(セン/マン) | 5,000、50,000 |
テラ | 5,500、55,000、550,000 |
シヒャッカン | 6,500、65,000、650,000 |
ゴヒャッカン | 8,300、83,000、830,000 |
ドン | 10,000 |
トビゴ | 10,500 |
ピンピン | 11,000、110,000 |
ナナヒャッカン | 11,500、115,000 |
ほかにも符丁は存在しますが、まずは上記の符丁をしっかり把握しておきましょう。競りではすばやくヤリを突くことが求められるため、可能であれば暗記しておくことをおすすめします。
符丁を使った競りの流れ
競りが始まると、買い手は一斉に競り落としたい金額を口々に叫んでいきます。符丁を使った競りの場合は、「1,500円」「3,000円」といった金額を直接発言するのではなく、「センマイ」「ジュッカンメ」などの専門用語が飛び交うのです。
競りの開始時点の値段のことは「発句(ほっく)」と呼ばれます。符丁を使った競りの特徴は、符丁の表す数字の桁が発句に合わせて変わっていくのが特徴です。たとえば、おなじ「イチゴー」とヤリを突く場合でも、発句が違うと以下のように意味が変わります。
発句 | 符丁 | 落札希望価格 |
---|---|---|
1,000円 | イチゴー | 1,500円 |
2,000円 | イチゴー | 15,000円 |
競りは発句よりも高い値段でないと落札できません。初値が2,000円の際に「イチゴー」とヤリを突く場合は「15,000円で落札したい」ということになるのです。
符丁があらわす値段の桁は初値によって左右されるため、競りの開始金額をしっかり把握しておくことが大切になります。
また、せり上がりによって金額のケタが変わった場合も、同じ符丁で異なる金額を表現することになるでしょう。
符丁以外の古物市場で使われる専門用語
古物市場では、符丁のほかにも隠語や専門用語が飛び交っています。以下の専門用語もあわせて覚えておくと、より便利になるでしょう。
- ・相乗り=特定の買い手の入札に乗じること
- ・ちょい乗り=他のバイヤーの価格に少しだけ金額を乗せること。競りが長引くため、マナーが悪いとされる行為
- ・鉄砲=応札価格が指値に達さず競りが不成立になること。「出来ず」「引き」とも。
- ・あご=売り手の希望最低金額(最低金額に届かない場合は競りがなくなる)
- ・あと乗り=発句後すぐに入札せずしばらくしてから入札する
- ・あらもの(新物)=新しそうな商品
- ・うぶ荷=市場や古物商を経ず、市場に出てきたばかりの商品
- ・しまい(閉まい)=閉店・倒産したお店から出た商品
- ・ジャンク=返品不可商品・ジャンク扱い品・故障品
- ・大会=大会形式のオークション。下見期間が長く高額商品が多い(骨董市・ブランド市など)
- ・平場=平場形式のオークション。原則下見がない。商品数が多く低価格商品が多い
- ・つぶし=量り売り・グラム売りのこと(貴金属など)
- ・手ぜり=指のサインだけで競りをおこなうこと(水産市・青果市など)
- ・とりがいい=扱いやすい・買いやすいこと
- ・ぺろ=全部まとめて買うこと(単品で出品されている複数商品を落札者がすべて買う)
- ・山=一度にさまざまな種類の商品を同時に競りにかけること
- ・やまあらい=種類がバラバラな山・価格の低い商品が含まれている山
古物市場がクローズドであればあるほど、上記のような専門用語が会話に混じっている可能性が高くなります。閉鎖的な市場では組合員同士の人間関係も重要になってくるため、覚えておけばスムーズに会話に参加できるはずです。
特に「大会」「平場」は古物市場全般で良く使われている用語なので、違いについてもしっかり理解しておいてください。
符丁を使った競りに参加する注意点
符丁を使った競りに参加する際は、マナーやルールについてもきちんと知っておくことが大切です。知らずにNG行為をしてしまうと、空気の読めない人扱いをされてしまうかもしれないので、しっかり把握しておきましょう。
符丁が使われる場所は原則平場のみ
符丁には使っていい場所と使えない場所があります。符丁が使われるのは原則「平場」形式の競りのみです。平場が地元の顔馴染みや組合員などが集まるクローズドな競りであるのに対し、「大会」は誰でも参加できるオープンな競りという傾向があります。
特に、大手企業が主催する全国規模の大会では、符丁を禁止しているケースも多いので注意しましょう。初心者でも参加しやすいよう、はっきりと金額提示する場合がほとんどです。
かつては符丁を使った競りが主流でしたが、現在は大会形式が主流になりつつあります。禁止されている市場で符丁を使うとマナー違反になってしまうケースもあるので、気を付けてください。
関西と関東で使い方が違う
符丁には地域差があり、関西と関東で使われる符丁は若干異なります。符丁には「頭2ケタ」「頭3ケタ」の2種類があるのですが、主に2ケタは関西、3ケタは関東で使われているようです。
頭2ケタとは「イチゴー(15)」「ニーゴー(25)」など、値段の0以外の数字が2桁のものを指します。一方、頭3ケタとは「センマイ(125)」「ジュッカンメ(165)」など、数字の頭が3桁の符丁のことです。
無意識にやりがちな「あと乗り」は失礼にあたる
「あと乗り」とは、誰かが発した符丁を聞いたあとに、ちょっと間を空けてからヤリを突く行為のことです。落札者が決まりかけた時に声を発することになるため、実は失礼にあたってしまいます。
さらに、あと乗りした値段がほんの少し上乗せしただけの場合は、かなり印象が悪くなってしまうでしょう。無意識にやってしまう人も多いのですが、参加時は瞬時に反応するよう心掛けましょう。
仕入れ先に「おいくら」もご検討ください
古物市場にはベテランなどの目利きも多く、最初は符丁を使って競り落とすのがなかなか難しいかもしれません。特に、事業を立ち上げたばかりの時は、仕入れを安定させることが重要です。ほかの仕入れルートも開拓するべきか良く検討することをおすすめします。
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