【本の仕入れ方法】個人で本屋を開業するには?新刊・古本のおすすめ仕入れルートと開業の流れを解説

【本の仕入れ方法】個人で本屋を開業するには?新刊・古本のおすすめ仕入れルートと開業の流れを解説

本が好きな人の中には「いつか自分の好きな本を集めて小さな本屋を開きたい」というような夢を抱いている人も多いのではないでしょうか。
かつては開業が難しいとされていた書店の卸売り・小売り業ですが、現在は安価で始められるような制度が整いつつあります。
この記事では、これから本屋を開業しようと考えている人に向けて、新刊・古本の仕入れ方法や開業方法について解説していきますので、気になる人はぜひチェックしてみてください。

書店業界の変化

書籍の取次を安価でおこなう業者が現れたことで、個人経営でも本屋が開業できるようになり、多種多様な営業形態の本屋が生まれました。まずは書店業界の昔と現状について詳しくみていきましょう。

開業のハードルは低くなってきている

かつての本屋は、取次店と契約しないと開業は難しいといわれていました。当時の取次店との契約には数千万円が必要で、かなり開業のハードルは高かったといわれています。
しかし現在は、安価で取引が始められる取次店が台頭し、出版社との直接取引も可能になったため、以前よりも気軽に開業できるようになりました。
さらに、個人営業の本屋が増えたことにより、アイデアに富んだ独創的な書店も現れるようになったのです。

さまざまな営業形態の本屋が誕生

現代はインターネットの普及が進んだ影響により、若者を中心に活字離れが叫ばれています。市場全体は縮小傾向にありますが、新業態の本屋はSNSなどで注目されトレンドになっているのです。

新業態の本屋にはさまざまなジャンルがありますが、中でもカフェのある書店は定番化しつつあります。ホテルとのコラボレーションを実現した「泊まれる本屋」や、特定ジャンルやコンセプトにこだわった「本のセレクトショップ」なども注目の業態です。

本屋のジャンル

本屋の営業形態は、大きく以下の3つに分けられます。

  • ・本のみを販売するベーシックな書店
  • ・本と別ジャンルのコラボレーション
  • ・ネットショップ

本のみを扱うベーシックな書店であっても取り扱う内容は多種多様です。
新刊だけでなく古本との併売をおこなうハイブリッドな営業形態や、一般書店では扱わない個人発行のリトルプレスを揃えた書店なども多く存在しています。
また、近年では、店舗を持たずネットショップのみで本を販売する業者も増えてきているようです。
ネットショップなら、店舗を運用するための初期費用やランニングコストが大幅にカットできるので、特に個人経営者に好まれています。

本の仕入れ方法|新刊

ベーシックな新刊の仕入れ先は取次店ですが、近年では出版社へ直談判してお気に入りの本を取り寄せる業者も多いようです。ここからは、新刊の仕入れ方法やおすすめの仕入先について紹介していきます。

個人営業におすすめの新刊仕入れ先

個人の書店におすすめの新刊仕入先は以下の通りです。

  • ・ことりつぎ
  • ・ホワイエ
  • ・ディスカバー21
  • ・ミシマ社

「ことりつぎ」は、誰でも本屋を営業できる仕組みづくりをモットーにしている取次店です。個人営業の小さな本屋を応援する取次サービスを提供しています。選書や注文・在庫管理までの販売ノウハウを伝授してくれるので、安心してランニングできるでしょう。

「ホワイエ」は、1冊から新刊の卸売りをおこなっている出版流通サービスです。カフェや雑貨店などで少量の書籍を販売したい場合などに適しています。ホワイエも運営をトータルサポートしてくれるため、初めての書籍販売でも安心です。さらに、「ディスカバー21」や「ミシマ社」などの出版社は直接取引に応じてくれます。

他の出版社であっても、交渉次第では直接取引してもらえることもあるため、挑戦してみるといいでしょう。どうしても置きたい書籍がある場合は、ホームページなどからコンタクトを取ってみてください。

新刊の仕入れ方法

新刊の仕入れ方法には以下の2種類があります。ただし、どちらの方法が選択できるかは仕入先や仕入れる本によって変動するため注意が必要です。

  • ・委託販売制 仕入れた本が売れなかった場合に返品が可能
  • ・買い切り制 委託販売制よりも仕入れ価格が安いが返品不可

買い切りは売れた時の利益率が大きくなりますが、そのぶんリスクも大きいため、不慣れな場合は避けるのが無難かもしれません。最初は委託販売制で仕入れるのがおすすめです。

委託販売制の場合は「売れた分だけ仕入れ金額を支払う後払い方法」と「最初に仕入れ額をまとめて支払い、売れ残った分だけ返金する方法」のどちらかを選択できる場合があります。 初期費用を抑えたいなら後払い方法を選択するのがいいでしょう。

本の仕入れ方法|古本

古本の仕入れルートは新刊とは異なります。また、取り扱う場合は古物商の許可を取得する必要があるので注意してください。ここからは、古本の仕入れ方法と注意点について解説していきます。

古本の仕入れ先

中古本の仕入先には以下の選択肢があります。

  • ・ブックオフなどの古書店
  • ・Amazon
  • ・メルカリ
  • ・古物市場

都道府県の古書組合に入会して古物市場に参加する方法もありますが、あまりおすすめしません。古書を扱う市場は加盟店が自店の在庫を持ち寄って販売する形式になっています。

また、市場では一冊売りではなく売り合わせになっていることも多いため、狙ったものだけを購入しづらいのがデメリットです。地域によっては参加するのに数十万円かかるケースもあります。そのため、古書店やネット経由で古本を仕入れる方法が適しているでしょう。

古本を扱う場合は「古物商」の許可が必要

古本は「古物営業法」で「古物」に該当する品目として定義されています。古物営業法は、盗品の二次流通や被害拡大を防止する目的で定められた法律です。

新刊のみを扱う場合は「開業届」の提出だけおこなえば問題ないのですが、古本を売買する場合や古本と新刊を併売する場合は、古物商の許可を取得した上で営業をおこなわなければならないでしょう。

万が一無許可で営業していたことが発覚すると、重いペナルティを科せられてしまうので注意してください。許可を取得するには、営業拠点の所在地を管轄する警察署へ必要書類を提出して審査に通らなければなりません。審査が完了し許可が取得できるまでは1ヵ月ほどの時間が必要なので、早めの申請を心掛けましょう。

▼詳しい内容については、古物商許可の取り方を解説した記事をご一読ください。

本の仕入れ方法|ZINEなどのフリーペーパー

新刊・古本以外にも、「ZINE」などのリトルプレスやフリーペーパーを扱う本屋を営業したいという人もいるでしょう。
ZINEとは、個人やグループが制作したオリジナル冊子のことを指します。旅行・写真・アート・小説など内容に限りはなく、アートブックと読み物を掛け合わせたような斬新なメディアです。
ZINEなどのリトルプレスの制作者は、一つひとつこだわって制作しています。そのため、取次店で扱うほど量産されていないケースがほとんどです。ZINEに限らず、一般書店で扱っていないものに関しては、製作者へ直接連絡をして交渉する必要があります。

本を仕入れて開業するまでの流れ

ここからは、本屋を開業するまでの具体的な流れと本の仕入れ方法についてみていきましょう。新刊と古本のどちらも取り扱う場合は、以下の手順でおこなうことをおすすめします。

  • 1.取次店に問い合わせをおこない、契約する
  • 2.取次店で扱っていない本については出版社に直談判する
  • 3.古物商の許可申請をおこなう
  • 4.中古本の仕入れをおこなう
  • 5.開業後2ヵ月以内に開業届を提出する

まずは新刊の仕入れをおこないつつ、古物商許可取得の準備をおこないましょう。新刊の仕入れ先には、先述した個人営業向けのサービスが充実している取次店を利用するのがおすすめです。
取り扱いたい本が取次店になかった場合は、出版社などに直接問い合わせて取り扱い可能かどうか交渉する必要があります。

また、古本の仕入れをおこなう前には、忘れずに古物商の許可申請をおこないましょう。古物商の許可申請時は、約2万円の申請費用が必要で、取得まで1ヵ月ほどの期間がかかります。
許可証が届くまでは古本を扱った営業はできないため十分注意してください。開店日の直前で申請すると間に合わない可能性があります。
開業後は、2ヵ月以内に「開業届」を税務署へと提出してください。新刊のみを取り扱う場合は特別な資格は必要ないため、開業届を提出するだけでOKです。

古物商の仕入れについて詳しく解説している記事もご一読ください。

本屋の開業に使える補助金制度や融資

店舗を借りて本屋を開業するケースで、外装・内装工事などをおこなった場合は、1坪あたり80~100万円ほどの資金が必要だとされています。さらに、物件費や仕入れ費・備品代なども必要になるでしょう。
以下は、開業にあたって利用できる可能性がある補助金制度や融資です。

  • ・小規模事業者持続化補助金(最大50万円の補助金)
  • ・日本政策金融公庫(無担保・無保証で利用可能な低金利の融資)
  • ・制度融資(各自治体・民間金融機関などが提供する融資)

金額面に不安がある人は、上記の補助金や融資が受けられるかどうか確認してみましょう。
さらに、開業資金だけでなく運用資金もある程度用意しておけば、安心してランニングできるはずです。気になる人は公式サイトをチェックしたり、窓口へ問い合わせてみたりしてください。

仕入先に困ったら「おいくら」を活用するのがおすすめ

古書の仕入先が見つからない場合や、仕入れが安定しない場合は、買取集客支援プラットフォームである「おいくら」を利用するのも1つの方法です。
おいくらでは書籍の買取依頼も多いので、古書の仕入れが安定しやすくなるでしょう。
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