古物営業法とは?中古品でネットオークション開業の注意点を解説
古物営業法とは、古物の売買に関して、守らなければならない法律のことです。
この法制度は、盗品等の売買防止や、盗品等の速やかな発見、解決が主な目的となります。これから、古物商、リサイクルショップを始めようとされている方々は必見です!
これから、古物の意味は?古物営業法違反と罰則は?古物商が守るべきルールについてなど、わかりやすく解説します。
また、ネットオークションについて、古物商許可証の申請方法についても紹介していきます!
古物営業法とは
古物営業法とはリサイクルショップ、古本屋、金券ショップといった中古品店、法人、個人事業主に関係なく、古物を売買する人に関わってくる法律のことです。
違反を犯せば、きびしい刑罰がありますので、注意が必要です。これから代表的なルールを紹介していきます。
古物の意味は?
古物の意味は、古物営業法で定義が決まっています。
一度でも使用された物品は古物になります。
未使用であっても、取引されたことがある物品も古物となるのです。お店から受け取った物品は、実際に使用していない場合であっても、古物となってしまいます。
つまり一般消費者の手にわたった段階で古物となるのです。古物の種類に関しても法律で決められております。
古物営業法はいつできた法律か?目的は?
法制度は昭和24年に制定されました。法制度の目的は、前述のとおり『盗難品の流通防止』と『盗難被害の早期解決』を図るためです。
古物営業法違反と罰則について
古物営業法を守らない場合には、重い罰則や罰金があります。古物商許可をとらず、古物営業をしていた場合、一定期間古物商許可が取れなくなったりします。そのほか主な古物営業法違反と罰則は以下の通りとなります。
古物営業法違反 | 罰則 |
---|---|
無許可営業 | 3年以下の懲役又は100万円以下の罰金。この場合には罰則を受けた日から、5年間は古物商許可を取得することができなくなります。 |
名義貸し | 3年以下の懲役又は100万円以下の罰金。例えば、法人の代表者個人で許可を得ていたが、法人では無許可で古物営業をしていたケース等です。 |
古物買い取り場所の制限違反 | 1年以下の懲役又は50万円以下の罰金。古物の買い取り行為は、営業所か相手方の住所や居所で行わなければいけません。また必ず、『行商する』で古物商許可を取得している必要があります。 |
取引相手の本人確認、古物台帳への記録や保存 | 6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金 |
許可証関係(許可証の携帯義務、返納義務違反) | 10万円以下の罰金 |
古物商が営業所以外で古物を販売するときには、許可証を携帯する義務があります。
また、古物商は廃業をしてから10日以内に許可証を返納しなければいけません。
・営業所標識掲示義務
古物を販売しているオンラインサイトへの記載義務:10万円以下の罰金
古物商は、営業所に標識(古物プレート)を掲げなければいけません。
また、オンラインサイトなどで古物を販売する場合には、3つの事項
(営業者の氏名や名称、古物商許可を受けた公安委員会の名称、12桁の古物商許可番号)
をサイト上に記載する義務があります。
・営業の内容変更の届出義務
許可証の書換申請義務 :10万円以下の罰金
古物商許可を取得後の変更届出について
古物商許可を取得した後に、以下の一定事項を変更した場合には14日以内に公安委員会(管轄警察署経由)に対して変更届出が必要です。
※変更届け出が必要な項目
- 営業所の名称
- 取り扱う品目、メインで取り扱う品目
- 古物商法人の役員の氏名、住所
- 営業所の移転、増設、廃止
- 営業所の管理者の氏名、住所
- 古物販売用のオンラインサイトの開設やURL変更、閉鎖
※許可証の書換え申請が必要な項目
- 古物商(個人)の氏名、住所の変更
- 古物商(法人)の名称、所在地の変更
- 古物商(法人)の代表者の氏名、住所の変更
- 行商の有無
古物営業法により古物商が負う義務
古物商は具体的に3つの義務を負います。
1.本人確認義務
古物商が、古物の買い取りを行う場合には、取引相手の確認(氏名、住所、生年月日、職業)を行う義務です。
また、この本人確認義務に違反をした場合には、営業停止処分や許可の取り消し処分が下される可能性もあります。
さらに、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金等が貸されるケースもあります。
2.古物台帳への取引記録義務
古物台帳への取引記録義務は、古物商が一定の古物を売買した場合には、台帳に記録をつけなければいけない義務です。
また、法律で決められた内容を記録した日から3年間は保存をしておかなければいけません。
【法律で決められた内容】
- 取引相手の氏名、住所、職業、年齢
- 本人確認の方法
- 古物取引内容(品目や数量など)
- 取引年月日
- 古物の特徴
もし、古物商がこの義務に違反をした場合には、営業停止処分や許可の取り消し処分が命じられる場合があります。
さらに、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される恐れがありますので、記録が必要な取引については、確実に記録するようにしましょう。
3.盗難品等の不正申告義務
盗難品等の不正申告義務とは、古物商が買い取り等をする場合に、盗難品などの不正品だと疑いがある古物に出会う可能性があります。
不正品を発見した場合には、直ちに警察へ通報する義務があるのです。
不正品に出会った場合には、直ちに警察へ通報する義務を負います。
古物営業法の目的は、盗難品など不正品の流通防止と被害の早期回復です。
不正品の申告義務を守らなかった場合にも、営業停止命令や取消命令が下される可能性があります。
また、古物商が意図的に盗難品と認識して取引をしていた場合には、盗品有償譲受罪や盗品保管罪として10年以下の懲役及び50万円以下の罰金が科される可能性もあります。
ネットオークションについて
ネットオークションとは、インターネットを使い、商品をオークション型式(競売)で売買するサービスのことです。日本では、ヤフー、楽天などが、個人向けのネットオークション・サービスを提供しています。
売り手が販売したい品物と最低価格を提示し(出品)、それをほしい人は購入価格を提示して申し込みます。一定期間の間に、一番高い価格を提示した人が「落札者」となり、品物を入手できます。
最近は個人のネットオークションに、せどり・転売をする人が入ってきています。
せどりとは商品を安く買い、利益を乗せて販売するビジネスのことです。それらを行う人のことをせどらー・転売ヤーと呼ばれています。
個人間で売り買いする分には問題ないのですが、商売として利益が出る場合には、古物商許可が必要となります。古物商許可申請については次に紹介いたします。
古物商許可証
ネットオークションにて古物を取り扱うにあたって、古物商許可が必要となります。下記に申請する場所等を記載しましたので、確認をしておきましょう。
申請場所:主たる営業所の所在地を管轄する警察署(防犯係)
手数料:19,000円
必要書類:許可申請書(古物営業法施行規則別記様式第1号)
個人許可申請の場合
・略歴書(本人と営業所の管理者のものが必要)
・本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し(本人と営業所の管理者のものが必要)
・誓約書(本人と営業所の管理者のものが必要)
・身分証明書(本人と営業所の管理者のものが必要)
・URLの使用権限があることを疎明する資料(該当する営業形態のみ必要)法人許可申請の場合
法人の定款
・法人の登記事項証明書
・略歴書(役員全員と営業所の管理者のものが必要)
・本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し(役員全員と営業所の管理者のものが必要)
・誓約書(役員全員と営業所の管理者のものが必要)
・身分証明書(役員全員と営業所の管理者のものが必要)
・URLの使用権限があることを疎明する資料(該当する営業形態のみ必要)
根拠法令等
備考:古物商は、営業所ごとに、当該営業所に係る業務を適正に実施するための責任者として、管理者1人を選任しなければなりません。(古物営業法第13条第1項)
(警視庁 古物商許可申請より抜粋)
古物を取扱うためには古物商許可申請をしましょう
古物営業法とネットオークションに関わることについて解説してきました。個人間で売買を楽しむことには不要ですが、ネットオークションで利益得るなら、必ず古物商許可申請を行いましょう。