古物商の許可は更新が必要?手続きが必要なケースを徹底解説!
これから古物商許可申請をされる方の中には、古物商許可証の有効期限について疑問に思っている方もいるでしょう。
こちらでは、古物商許可の有効期限や更新の必要性について詳しくご紹介します。
古物商許可を取得した後に注意すべきポイントも解説するのでぜひ参考にしてください。
古物商許可に有効期限は?更新は必要?
こちらでは、古物商許可証は更新する必要があるのか、そして古物商許可申請後にどのようなケースで手続きがについてご紹介します。
【結論】古物商許可証には有効期限はない
結論からお伝えしますと、古物商許可証は更新制度や有効期間は設けられていません。
そのため、建設業許可や食品営業許可などのような更新制度がないため、一度取得さえしてしまえば半永久的にビジネス展開できます。
しかし、一度取得したから何も手続きをしなくていいというわけではありません。場合によっては「変更届出」や「書換申請」などの諸手続きをしなければなりません。
主に、次のような変更点があった場合は、手続きが必要です。
- ・古物商の住所が変更されている場合
- ・営業所の移転や新しい営業所を増やす場合
- ・取り扱う品目の変更や追加があった場合
- ・管理者の変更があった場合
これらの変更点があるにも関わらず必要な手続きを怠ってしまうと、処罰の対象となりますので気をつけましょう。
古物商許可証の内容以外の変更には「変更届」が必要
古物許可証に記載されていない内容に変更があった場合は「変更届出」の提出が必要です。この手続きには手数料はかからず、無料で対応してもらえます。
変更届の提出が必要なケースは次の通りです。
- ・取扱品目の追加や変更があった場合
- ・管理者の変更があった場合
- ・営業所を新設や変更がある場合
古物商が取り扱う13品目のうち、古物許可証を取得して以降に品目を追加、変更した場合に変更届出が必要です。創業時は古着屋として営業していたが、その後古本も取り扱いとなった場合は変更届出の提出が求められます。
古物取引の管理者に変更があった場合にも変更届出が必要です。古物商許可を取得するためには、各営業所に管理者を1名選定しなければなりません。代表者や役員が管理者を兼任することもできますが、何かしらの理由で変更が生じた場合は必ず変更届出を提出してください。
管理者の氏名が変わったり、管理者の変更があった場合は、変更があった日から14日以内に営業所を管轄する警察署にて手続きをしなければなりません。
その他にも、営業所を新設した場合は変更届出の提出に加えて変更が生じる3日前までに「変更届出書」の提出が必要です。
古物商許可証の内容の変更には「書換申請」が必要
古物商許可証に記載されている内容に変更があった場合は「書換申請」が必要です。書換申請は、変更が生じてから14日以内に管轄の警察署にて手続きが必要です。手続きには1,500円の手数料がかかります。
書換申請は、以下のようなケースが対象となります。
- ・古物商の名称や住所に変更があった場合
- ・行商の有無の変更
- ・法人の代表者名や住所の変更があった場合
古物商の名称や住所に変更があった場合は、個人や法人問わず書換申請が必要です。本社が移転したり、社名に変更があったりしたら必ず手続きをしましょう。
行商とは、営業所以外で古物取引を行うことです。お客様の自宅まで出向いて鑑定や査定、買取を行う「出張買取」などが該当します。
営業所以外に出張買取のビジネスを展開するようになったら書換申請をしてください。
個人ではなく法人として古物商許可を取得した場合で、代表者の氏名や住所が変更された場合も書換申請の対象です。
代表者でなく役員の氏名や住所に変更が生じた場合は、書換申請ではなく変更届出が必要ですので間違えないようにしましょう。
変更届出や書換申請が行われていないとどうなる?
古物商許可証に有効期限や更新制度がなく、変更が生じた場合に所定の手続きが必要であると分かりました。ここからは、変更届出や書換申請を行わなければならないのに放置した場合は注意が必要です。
ここからは、各種手続きを行わなかった場合に考えられる処罰についてご紹介します。
10万円以下の罰金が処される可能性あり
変更届出や書換申請が行われなかった場合、10万円以下の罰金が課せられる可能性があります。大した変更点でないからバレないだろうと考えていると、処罰の対象となりかねませんので注意しましょう。
「簡易取消し制度」により古物商許可を取り消される可能性あり
最近は個人でも古物商許可を取得する方が増えていることもあり、警察が古物商の管理をしきれない状況となっています。そこで2018年に古物営業法が改正され「簡易取り消し制度」が新設されました。
簡易取り消し制度とは、古物商の所在が不明な場合に公安委員会が公告をし、30日以内を経過しても古物商からの申し出がない場合に古物商許可を取り消せる制度です。
古物商許可は更新制度がないため、古物商が廃業したり、営業をしていなかったりするケースが多発しています。
許可を取得したまま放置している方や廃業したのに手続きが面倒だからという理由で返納せずにいる方が要注意です。
無許可で営業していたことが判明した場合は、3年以下の懲役または100万円以下の罰金刑が課される可能性があります。さらに古物商許可を取り消された場合は、取消されてから5年間は古物商許可の取り直しができませんので気をつけましょう。
古物商許可の取り直しが必要なケースがある
変更届出や書換申請ではなく、古物商許可を取り直さなければならないケースもあります。ここからは古物商許可の取り直しが必要な2つのケースをご紹介しましょう。
個人が法人化した場合
古物営業法では、個人と法人の取り扱い方法が異なります。個人で取得した古物商許可証は、法人として使用できません。法人化して古物取引を行う場合は、再度法人名義での申請が必要です。
法人営業の許可がおりていない状態で営業した場合は無許可営業と見なされるため、古物営業法違反として3年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられますので注意しましょう。
営業所の届出を2020年4月1日までに行っていない場合
2018年に古物営業法が改訂されたことより、2020年3月31日までに古物商許可を取得した方は、2020年4月1日までに管轄の警察署に届け出なければならないと定められました。
この期限までに届け出をしていない古物商許可は失効していますので、再度許可を取り直さなければなりません。
無許可で営業することで処罰の対象となりますので気をつけましょう。早めの手続きが必要な場合は、古物商に精通した行政書士の力を借りるのも一つの方法です。
古物商許可を失効させないためにも必要な手続きを行っていこう
古物商許可に有効期限があるか、そしてどのようなケースで手続きが必要かについて詳しくご紹介しました。古物商許可の記載内容はもちろん、記載されていない内容にも変更があった場合は、変更届出や書換申請などの手続きを行っていきましょう。