せどりと転売の違いや、どんなケースが法律違反になるのか徹底解説!

せどりと転売の違いや、どんなケースが法律違反になるのか徹底解説!

物品販売ビジネスには、せどりと転売があります。言葉は聞いたことはあるけれど、同じこと?あるいは、全く違うもの?そもそもこの2つは根本が違うものとなります。

これから、せどりのもともとの意味、せどりの方法や、転売とはどんなものなのか?せどりと転売の違い、また、違法となるケースについて、物品販売ビジネスを始めるために役立つ情報としてわかりやすく解説していきます!

 

せどりと転売の違い

せどりは相場よりも安く仕入れてから、相場かそれよりも少し安く販売することで利益を出します。

転売は入手困難なものを買って、定価より数倍高く売って利益を出します。

まず、せどりの意味から説明していきましょう。

せどりとは

せどりのもともとの意味は、価値のある古本、掘り出し物をみつけ仕入れて販売する人達のことを指して使われてきました。せどりとは、ビジネスの手法のひとつです。

ただ、現在では、古本のほかにも、ゲームソフトやゲーム機の本体、CD、家電品など、さまざまな商品を販売している人達も増えてきており、せどりと転売の差が明確ではなくなってきているようです。

語源は不明。一般的にはひらがなで「せどり」と書く。辞書では「競取り」という漢字が当てられているが、元々は「糶取り」という字が使われていた。「糶取り」の「糶(ちょう、せり、うりよね)」とは、「米を売りに出す」の意で、そこから「米の競り売り」や「行商」のことを指す。漢字としては「出+米+翟(=擢:抜き出す)」から成り、貯蔵してあった米を選り出して売りに出すことを意味し、そこから転じて多くの物の中から選び出して売ることを「糶取る(動詞)」または「糶り取る」と言う。

※参考:Wikipedia

せどりの種類

せどりは、大きく分けると店舗せどりと電脳せどりの二つに分類されます。
現在はインターネットの普及により、電脳せどりが圧倒的に多いでしょう。

店舗せどり:店舗で商品を仕入れて販売する行為

電脳せどり:インターネットで商品を仕入れて販売する行為

転売とは

転売は、買い取った物をさらに他に売り渡す行為となります。せどりとの違いは、人気商品・品薄商品、限定商品、トレンド商品を小売店にて定価で買うことです。そして、さらに大量に買い占めて高額販売をし、利益を得ます。

転売自体の意味に違法性はないのですが、常識を超えて値段を吊り上げ、高額で販売し利益を得ることは世間から非難を浴びています。

そして、古物営業法で禁止されている商品の転売や、迷惑行為などで、法に触れて罰せられる場合もあります。ネットスラングで、世間からは非難の意味で、転売を職業にすることを転売屋、転売ヤーと呼ばれています。

せどりと転売のメリット、デメリット

せどりと転売の違いについてお伝えしてきましたが、どちらとも「差額を利益とするという点では至ってシンプルなビジネスになります。

メリットやデメリットもほぼ共通しており、2つの特徴を捉えておくとより深く理解できます。ここでは、せどりと転売の共通したメリットとデメリットについて解説していきます。

せどりと転売のメリットについて

「誰でも気軽に、場所を選ばずに始められる」ことが最大のメリットです。商品を仕入れて、売り、差額を利益とするという仕組みが分かりやすく、低資金から始められる比較的リスクが低いビジネスになります。

前述したとおり、店舗せどりや電脳せどりと呼ばれる方法からできるので、家の中でも外でも時間を選ばず行うことができます。普段なかなか時間が取れない会社員が会社帰りに、主婦も隙間時間にできるのは魅力のひとつだと言えるでしょう。

また、ブログやアフェリエイトと違い自分で1から集客する必要がありません。Amazonやメルカリ、楽天など既に集客力や信用力があるプラットフォームを活用すればすぐに結果を出すことが可能です。

せどりと転売のデメリットについて

反対に、デメリットはまず、場所がとられる事です。仕入れた商品は売れるまで保管場所が必要になります。商品は検品をし、商品状態の傷や汚れなど状態を確認し、値札シールを剥がすなど、細かい作業を行ったうえで、商品に見合った価格を設定します。

また、保管方法が雑だと余計な傷や汚れをつけてしまい、クレームに繋がりかねません。商品のサイズに見合ったスペースの確保に悩む方も少なくありません。

また、せどりや転売をするなら「古物商許可証」と「確定申告」が必要になる場合があります。こちらについては、次のとおりです。

※古物商許可証について

古物商許可証とは、古物営業法で定められている許可証のことで、古物(中古品・リサイクル品など)を販売する際に必要な許可証のことです。

取得するためには主な管轄の警察署に申請する必要がありますが、手順通りに書類を提出するだけなので難しいことはありません。

申請料として19,000円の費用が必要になります。

また、許可なく古物を転売した場合「3年以下の懲役」か「100万円以下の罰金」のいずれかが科されるので要注意が必要です。(※参考:警視庁 古物商許可申請

※確定申告が必要な場合

せどりや転売をしていて年間で利益が20万を超えた場合、確定申告する必要があります。

利益=収入-仕入額なので、収入と利益を勘違いしないようにしてください。

せどりと転売が違法となるケース

転売をおこなったからといって全部が違法ではないのですが、転売が禁止されている商品の転売や、転売の方法が間違っている場合は違法になってしまう可能性があります。

己の利益のみ追求する転売ヤーの迷惑行為において、法律も厳しくなってきています。

主に転売が違法になるものは次のとおりです。

・スポーツ観戦やアーティストのコンサートなどのチケットの転売

・偽物の転売 これは個人、転売ヤーに限らず違法(偽物と知らずに販売した場合でも違法になります)

・お酒の無許可販売

・古物商許可がない状態での中古品販売(使用目的で購入の場合は違法ではない)

・非対面の仕入れで本人確認が取れない場合

・医薬品の販売の無資格

チケット転売

悪質な転売行為は、令和元年6月14日に施行された、「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」(略称チケット不正転売禁止法)によって、正式に禁止されました。

違反した場合、1年以下の懲役、100万円以下の罰金、またはその両方は科せられる、立派な犯罪行為であると法律によって定められたのです。

偽物の販売

偽物の商品を販売するのも違法になります。

偽ブランド品を高額で転売することが多くみられますが、額が高くなりがちなので違反も厳しくなりやすいです。

また、偽ブランド品だと気づかずに転売した場合も違法になります。ブランドの商標権を侵害したということで、詐欺罪に当たります。

酒類販売業免許を持たずにお酒を販売

酒を転売すること自体が悪いのではなく、酒を売る資格を持っていない人が酒を販売することが問題です。酒を売るためには酒類販売免許が必要です。

違反した場合は「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処される可能性があるので気をつけましょう。

古物商許可を持たずにで中古品を売る

(前述のとおり)中古品の販売は古物商許可がないと違法になってしまいます。ネットショップや実店舗など、販売した場所には関係なく、無許可で中古品の販売をするのは違法になってしまいます。

ただし家庭にある不用品を販売する際には、古物商許可は必要ありません

非対面での仕入れで本人確認が取れないとき

中古品を仕入れる際に非対面取引ならば、古物営業法にて定められた方法で仕入れ先に対して「なりすまし」ではないか本人確認をしなければなりません。本人確認が取れない場合は違法になってしまうので、ネットオークションやフリマサイトで個人の出品者から仕入れる場合は注意が必要です。

違反した場合は「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金・併科」に処されるので、気をつけましょう。(非対面取引における確認方法

医薬品の転売

医薬品も酒類と同じように、販売するためには資格が必要になります。医薬品店舗販売業許可という資格がないと販売することができません。

違反した場合「3年以下の懲役または300万円以下の罰金、またはその双方」に処されるので気を付けてください。

目指すは世間に迷惑をかけないクリーンなビジネス!

せどりや転売の違い、違法となるケースについて、それぞれ解説してきました。利益を考えるのは当たり前ですが、自分たちの利益だけを求めすぎてはいけません。

お客様の気持ちを一切考えない迷惑なビジネスをしないように心がけていってください。それが長く続けていくことができる秘訣となるでしょう。

実際にせどりを始めるにあたってのポイントや仕入れ方法などを解説している記事もあるのでぜひ確認してみてください。

→せどりとは?おすすめのポイントや初心者の仕入れ方法などわかりやすく解説していきます!