冷蔵庫の調子が悪い!そんなときはコンプレッサーが原因かも?

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買ってきた食材を保存したり、おいしく冷やしたり、氷を作ったり、さまざまな生活シーンで必要不可欠な冷蔵庫。当たり前に普段使っているだけに、いざ調子が悪くなると困りますよね。今回は冷蔵庫のトラブルについて、また冷蔵庫の心臓部である「コンプレッサー」に焦点を当ててお伝えします。

冷蔵庫が冷えるしくみにはコンプレッサーが重要

冷蔵庫のトラブルやコンプレッサーについて触れる前に、そもそも、どんなしくみで冷蔵庫が冷えるのかを知っておきましょう。

気化熱の利用

一般的な家庭用の冷蔵庫が冷える仕組みを、ひとことで言うと「気化熱の利用」です。冷蔵庫は液体が気体に変わるときに、周りから熱を奪う「気化熱」という現象を利用しています。
気化熱を利用した生活の知恵でよく知られているのが、夏場の打ち水です。まいた水が蒸発するときに周囲の熱を奪って涼しくなるのですよね。理科の授業で習った記憶のある方も多いのではないでしょうか。

このよく知られている気化熱とは逆の現象もあります。それが、気体が液体へ変化する時には、周りに熱を放散する「凝縮熱」という現象です。

冷蔵庫は、液体から気体の変化を繰り返すことで、周囲の熱を奪い、その熱を別の場所で放出する、というサイクルを作りあげて冷却します。
大まかな流れをまとめると以下のようになります。

1. コンプレッサーで冷媒を圧縮して、高温で高圧の気体に変化する
2. 気体になった冷媒を、コンデンサー(放熱器)を通すことで、液体に変える
3. 冷媒の圧力を下げて気化させる、このときに気化熱が発生して冷える
4. 冷気をファンなどで冷蔵庫の内部に行き渡らせる

液体から気体へ、気体から液体へと、気化と凝縮を繰り返すのは水ではなく、「冷媒」と呼ばれる物質です。

冷媒はかつてはフロン(CFC-12)が使われていましたが、オゾン層を傷つける恐れがあるため、地球温暖化対策の観点から、現在はフロンを使用しない「ノンフロン冷蔵庫」が主流となっています。
また、冷蔵庫の断熱性が性能アップしたり、大容量化のために真空断熱材が搭載されたりしていることから、以前に比べて省エネかつ電気代も節約できる冷蔵庫が増えています。

コンプレッサーの役割

コンプレッサーは、冷媒を圧縮するための部品。圧縮機とも呼ばれています。冷媒が液体⇒気体⇒液体……のサイクルを繰り返すために必要不可欠な、冷蔵庫の心臓部分と言ってもいい役割を果たしています。

コンプレッサーは一定の温度を保つためにオンとオフを繰り返します。台所で急に冷蔵庫が音を出してビクッとした経験のある方は多いでしょう。あれはコンプレッサーが自動で動き出したのです。

最近の冷蔵庫では、コンプレッサーの動きをコンピュータによって制御するインバーターコンプレッサー制御機能ものも多くなっています。

コンプレッサーのない冷蔵庫

しかし、なかにはコンプレッサーを持たない冷蔵庫も存在しています。

アンモニアの気化熱を利用した吸収式冷蔵庫、ペルチェ素子の性質を利用したペルチェ式の冷蔵庫です。小型の冷蔵庫にはこれらのタイプが多くあります。

どちらもコンプレッサーの音がしないため、作動音がうるさくありません。静かな環境を保ちたい病院の病室や、ホテルの客室などで利用されています。

よくある冷蔵庫のトラブルトップ5

冷蔵庫にはどんなトラブルがあるのでしょうか。冷蔵に多いトラブルは以下の5つです。

1位 冷蔵庫が冷えない
2位 床に水がこぼれている
3位 製氷機の故障
4位 冷蔵庫からの異音
5位 冷蔵庫が異常に冷える

せっかく買ってきた食材が痛んだり、冷凍室の氷が溶けて水浸しになってしまっては困りますね。

よくある冷蔵庫トラブルの対処方法

それでは家庭でよくある冷蔵庫のトラブルについて対応方法を見ていきましょう。コンプレッサーの不調を疑う前に、これらをチェックしてみてください。

電源が入っているかを確認する

冷蔵庫が冷えない、急に冷えなくなったなどの時には、コンプレッサーの不調を疑う前に、まずは電源を確認しましょう。

冷蔵庫など家電製品の調子が悪いときに、案外多いのが「そもそも電源が入っていなかった」というトラブルです。冷蔵庫が冷えないときは、何らかの原因でプラグがコンセントから抜けてしまったり、そもそも電気が来ていなかったりなどの可能性があります。「そんなはずはない」と思っても、まずは電源に繋がっているかどうかは確認しましょう。

電源が入っている場合でも、引越など冷蔵庫を移動してすぐには、電源を入れてもなかなか冷えないことがあります。特に夏は丸一日ほど冷えにくいこともあります。

ドアパッキンの劣化を確認する

冷蔵庫が冷えにくい、または霜が付きやすい場合、冷蔵庫のドアがしっかりと閉まっているように見えても、ドアパッキンが劣化して隙間ができているかもしれません。

ドアパッキンが劣化していると暖かい空気が庫内に流れ込んでくるため、コンプレッサーに負担がかかり、故障しやすくなります。

冷蔵庫のドアパッキンの劣化を見極める簡単な方法は、ドアを閉めた状態で名刺を差し込んでみることです。

パッキンが劣化していないと、隙間に名刺は入りにくいものですが、傷み始めると名刺が入る隙間ができ、交換の時期を迎えたパッキンでは名刺が滑り落ちてしまいます。

マニュアルを見て対応策を知る

冷蔵庫に限らず、電化製品が不調の時には、製品の取扱説明書を読んでみることをおすすめします。

主要メーカーでは取扱説明書などマニュアル類がダウンロードできるサイトを用意しています。「メーカー名 取扱説明書」「メーカー名 お客様サポート」などで検索すると出てきます。

ほとんどの取扱説明書は、最後の方に「お困りのときは」などトラブルシューティングが掲載されています。自宅の冷蔵庫のトラブルと似たようなものがあれば、その通りに対処すればいいのです。

インバータコンプレッサー制御機能を搭載した冷蔵庫(表示パネルが付いているもの)の場合、異常を起こしたときは、表示パネルに「エラーコード」が表示されます。
取扱説明書やメーカーのサイトでエラーコードを確認することで正しい対処方法が分かります。

送風口に霜がついていないか確認する

冷蔵庫内に冷気を送り込む送風口に霜がついてふさがっていると、冷蔵庫は冷えなくなります。しかし、現在はほとんどの冷蔵庫には「自動霜取り機能」がついていて送風口がふさがれないようになっています。

トラブルになるのは自動霜取り機能でも追いつかないほど霜が付いてしまった場合。
その原因としてはパッキンの劣化などで外気が入ってくる、食品の詰め込みすぎなどがあります。特に温かい食品を大量に一気に冷蔵庫に入れたり、生ものをそのまま入れたりすると、食品から蒸発した水分が霜になってしまいます。

冷蔵庫内は適度に隙間を空け、食品は水気を切ったり食品ラップや密封容器を活用しましょう。

冷蔵庫内に霜が付いてしまった場合、家庭で簡単に霜をとる方法があります。冷蔵庫から食材を取り出し、プラグを抜いて放置するのです。時間はかかりますが確実に霜はきれいに溶けます。霜取りのあとは乾いた布などでていねいに水気をぬぐってから電源を入れます。

ドライヤーで強制的に霜を溶かすという手段もありますが、メーカーの保証が効かなくなる恐れがあるためおすすめはしません。
もし、霜取りをしてもすぐに霜が復活するようであれば、冷蔵庫内の霜取りセンサーが故障している可能性があります。素人に直せる部分ではないので、修理を依頼することになります。

冷蔵庫の表面温度を確認する

冷蔵庫は常に外部へ熱を放出しています。多少熱いと感じられる程度では異常ではないことも多いようです。コンプレッサーのある部分は50℃以上になることも珍しくありません。

常軌を逸して熱いときは、設置した環境に問題があるかもしれません。冷蔵庫の両側面に物を置いたり、ぴったりと壁にくっつけてしまうと、放熱できずに冷蔵庫本体が熱くなってしまいます。

コンプレッサーに過剰な負担を掛けないためにも、また、節電のためにも周辺に隙間をつくって設置しましょう。

冷蔵庫のコンプレッサーの様子がいつもと違うときは……

冷蔵庫に何らかのトラブルがあるとき、上記を確認してみてもトラブルが解消されないとき、他にもさまざまな原因が考えられますが、多いのはコンプレッサーの故障です。

冷蔵庫のコンプレッサーから異音がする

前述のようにコンプレッサーは冷蔵庫の機能をつかさどる心臓部分で、庫内の温度を一定に保つために、オンとオフを繰り返しています。

コンプレッサーは自動で動いたり休止したりしています。周囲の気温の高い夏や、冷蔵庫を設置した直後、食品の出し入れが多いときなど、場合によっては故障でなくてもコンプレッサーの音が大きくなることがあります。

またフローリングの床や壁の反響で音が大きく響くことがあります、夜間や周囲が静かな時間帯には、気になることもあるかもしれません。

しかし、もしも以前に比べてモーター音が明らかに大きくなったり、冷蔵庫が大きく振動したりすることがあったら、故障の前ぶれかもしれません。

冷蔵庫のコンプレッサーが止まっている

冷蔵庫のコンプレッサーがまったく作動しないと故障ではないかと気になりますね。
これには3つの原因が考えられます。

1.温度調節機能が作動……冷蔵庫は庫内の温度が一定に保たれるように温度調節機能があります。庫内の温度が十分に低下している場合は、自動でコンプレッサーがストップし、冷却が一時的に止まることもあります。しばらく様子を見て、コンプレッサーが動き始めたら正常に動いていることになります。
2.自動霜取り機能の作動中……自動霜取り機能が付いている冷蔵庫は、霜取りのためにコンプレッサーが止まることがあります。霜取りが完了すれば、コンプレッサーが動き始めるので、しばらくようすを見てみましょう。
3.熱リミッターが作動……コンプレッサーに触れてみて、異常に熱くなっている場合は、コンプレッサーの熱リミッターが作動して、自動的に電源が切れてしまったのかもしれません。

冷蔵庫のコンプレッサーの修理について

修理・交換は自分でできる?

冷蔵庫のコンプレッサーが止まってしまったとき、自分で修理・交換ができたら……と思うかも知れませんが、冷蔵庫のコンプレッサーは一般に向けて販売されているものはありません。
また中古冷蔵庫などからコンプレッサーを取り出して交換、というのもおすすめしません。修理業者と同等の知識・技術がない場合は、下手に触らない方が無難です。

修理はどこに頼めばいいの

冷蔵庫のコンプレッサーの調子が悪いときどこに修理を頼んだらいいのでしょうか。いずれの場合も、大きな家電だけに修理屋さんに自宅に来てもらうことになります。

・購入店……長期保証が残っている場合は購入店に連絡してみましょう。保障を活用して無償で修理できることがあります。
・お付き合いのある電気屋さん……いつもお願いしているような近所の電気屋さんがいる場合は相談してみましょう。
・メーカーの相談窓口……いずれもない場合は、メーカーの故障相談窓口に電話して、修理屋さんを派遣してもらうという方法もあります。
・修理業者……ネットで「冷蔵庫 修理」で検索すると多数の業者が出てきます。できれば複数から見積もりを取って、料金と対応を確かめてから依頼しましょう。

修理費用は?

冷蔵庫の機種やメーカーにもよって変わるので、正確な金額は見積もりを取って調べる必要がありますが、冷蔵庫の修理でコンプレッサーを交換する場合は、出張費、配送料、部品代金、人件費などを含めて、およそ5万円前後かかるようです。

計算すると、修理するより買い替えたほうが割安になることも珍しくありません。

ちなみに冷蔵庫の買い換えの目安は10年以上使用と言われています。これは、メーカーの保証期間が通常10年で、それ以上古い物は部品を製造していないため。かつては「冷蔵庫の寿命は20年」と言われていましたが、現在の冷蔵庫は機能が複雑なので、内部も繊細になり、以前より寿命が短い傾向にあります。

まとめ

冷蔵庫の心臓部であるコンプレッサーは、気化熱の作用で冷蔵庫内を冷却しています。異音がする、止まっている、異常に熱いというときには、故障による周囲や買い換えも視野に入れて、様子を見ましょう。