【2024年10月】電気代値上げはいつまで?高騰理由や補助金について解説

【2024年10月】電気代値上げはいつまで?高騰理由や補助金について解説

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電気代の値上げは、多くの人にとって関心の高い話題です。2022年後半から急激に電気代が高騰したのは記憶に新しい出来事です。

では、なぜ電気代はこんなに高騰してしまったのでしょうか。それにはさまざまな要因が絡みます。

いつまで電気代の高騰が続くのでしょうか。猛暑の夏のエアコンや豪雪や寒波による暖房の使用は命を守るためにも重要なエネルギーです。消費者にとっては、毎月の支出が増え家計に負担がかかることがさけられません。

この記事では、電気代値上げの原因や今後の予測などを解説していきます。電気代高騰の原因を知り、今後の対策に役立ててください。

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電気代値上げの理由

現在、日本の電気は、どのように発電し、供給されているかご存知でしょうか。

原子力発電を行っている地域では供給が安定していることから電気代は低く保たれています。

一方、原発が稼働されていない地域では、石炭や液化天然ガスを燃料とする火力発電と再生可能エネルギーの太陽光発電などに頼っているのが現状です。

火力発電の燃料の高騰はロシアのウクライナ侵攻によるもので、日本は燃料を海外からの輸入に頼っているため、高騰は免れません。

また、再生可能エネルギーは、決してコストの安いものではないため、再エネ「賦課金」として消費者の電気代に毎月加えられ、電気代の一部として支払っています。原発や火力発電事業者よりもコストがかかる再エネ事業者へ援助が必要なため、「賦課金」が導入され、この費用は年々高騰しています。 

将来的にどのくらい供給が安定化するか、電気代削減になるかは、再エネの導入方法や設備規模、地域の気象条件などによって、変わります。天候や災害に左右されやすいという特徴がある再生可能エネルギーは、安定供給にも課題が多く、電気代値上げの背景に大きな影響を与えています。

また、原発を再稼働すると、電気代の値下がりと安定供給が戻ってくるでしょう。しかし、福島の震災の事故によって原発への風当たりが強まったことから、再稼働できずにいるのが現状です。

補助金の終了【2024年5月分~2025年4月分】

燃料価格の高騰による家計への影響を緩和するため、政府は「電気・ガス価格激変緩和対策」を行い、補助金が充てられていましたが、この補助金が2024年4月使用分で終了することが発表されました。2024年5月使用分にも適用はされますが、値引き額は半分になりました。

そのため「電気・ガス価格激変緩和対策事業」に参加している電気・ガス事業者と契約している場合は電気・ガス代が補助金終了後に増える可能性があります。

これまでの補助金額は以下の通りです。

期間電気(低圧)電気(高圧)都市ガス
2024年1月使用分
~2024年4月使用分
3.5円1.8円15円
2024年5月使用分1.8円0.9円7.5円

参考:「電気・ガス価格激変緩和対策事業

燃料費の高騰

日本での電気の燃料は、ほとんどを海外からの輸入によって賄われており、国際的なエネルギー市場の変動や供給の不安定性が、燃料価格の上昇に影響を与えることがあります。現状で一番多くの発電に利用されているのは、火力発電ですが、燃料には液化天然ガスや石炭が必要です。

輸入している国は、中東やオーストラリア、アメリカなど様々な国から輸入をしています。日本での天然ガスのロシアへの依存度は1割程度ですが、ヨーロッパの国々では天然ガスのパイプラインでロシアから供給を受けていたため、依存度が非常に高い状況があります。

ロシアのウクライナ侵攻は、ロシアからの輸入に頼ったエネルギーの供給に不安定性をもたらしました。その結果、国際的なエネルギー市場に波及し、価格の高騰へとつながっています。 また、通貨切り替えリスクや輸送コスト、原油価格などに為替レートや燃料価格レートが大きく影響します。

規制料金の影響

2016年に電力小売りが自由化され、現在では大手電力会社以外の電力小売り事業者などからも様々なプランが提供されています。

電力自由化以前から大手電力会社で提供している電気料金プランは「規制料金」でした。「規制料金」は法的な制限があるため、値上げや新しいサービスなどの提供を勝手に行うことができません。国の認可が必要です。2023年6月の電気料金値上げの申請について前述しましたが、まさにこの「規制料金」のことです。

再エネ賦課金の変動

再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの買取にかかる費用が高く、原発や火力よりもコストが高いため、太陽光などの再エネが十分に普及するまでは、「電気を使用する国民全員が負担しましょう」との名目のもと徴収されています。

広く普及するまでは、国民で支えるとの名目です。しかし、日本の太陽光発電の普及率はすでに世界第三位になっているのですが、「再エネ賦課金」の負担は年々上がっています。

経済産業省は2024年3月19日に2024年度の再エネ賦課金を「3.49円/kWh」にすると発表しました。さまざまな影響により2023年度の単価は「1.4円/kWh」でしたが、2023年度を除けば、は「0.22円/kWh」だった2012年度から毎年0.3~0.7円/kWhほどの値上げが続いている事になります。

電気代値上げ【主要地域別】

東京電力と関西電力では、電気代の違いはどのくらいでしょうか。地域の電力会社によって値上げの幅がどのくらいかわるのか、気になるところです。同じ電気なのに電気代が違うのは納得のいかないものでしょう。

一昔前は、生活に欠かせないインフラは一人ひとりが安心して利用できるのが当たり前でした。ここからは、電気代の値上げについて、電力会社による値上げの実態や全国比較、電気代の推移などをお伝えしていきます。

東京電力・関西電力等の値上げ

東京電力では値上げが行われているのに対し、関西電力での値上げはどうでしょうか。実は関西電力では値上げは行われていません。「同じ電気なのになぜ?」と疑問が浮かびます。

大きな違いは電気を作る元によるもので、関西電力では原発を稼働しているため、火力発電のような燃料の高騰の煽りを受けず、安定的な電力の供給ができています。関西電力は2023年6月の電気代値上げの申請はしておらず、首都圏の電気代は関西に比べ約5割も高くなっています。  

現状と2022年と2023年の値上げ

2022年以降、ロシアのウクライナ侵攻の影響などにより電気料金が値上がりし続け、各電力会社は、燃料費調整額が電気料金に転嫁できないところまで高騰してしまいました。そこで、2023年2月以降「電気ガス価格激変緩和対策事業」の補助が開始されました。

2024年の現在も電気代値上げは続いています。

電気代値上げの全国比較

2023年6月の電気料金値上げの申請をした大手電力会社7つの中で、一番大きな値上げ率となったのは、北陸の42%でした。次いで、沖縄38%、中国29%、四国25%、東北が24%、北海道が21%、東電が14%です。

42%の値上げはかなり大きな数字で、家計に響く家庭も少なくないでしょう。特に、冬が特に寒く雪国になる地域は、厳しい状況に置かれます。国民生活に直結するエネルギーの安定供給が求められます。

全国的な電気代の推移

電気代のこれまでの高騰は推移をみると、2021年から徐々に上がり続けていました。2022年12月には高騰が頂点に達しています。

政府の「電気ガス価格激変緩和対策事業」の開始により、低圧の電気代は2021年2月に19.43円/kWhまで下がりましたが、それ以降はしばらく値上げが続き、2023年1月には31.25円/kWhとなりました。この2年の間に、電気代は平均して1.6倍も上がっています。

しかし、この補助金が2024年4月使用分で終了(5月使用分は半減)することが発表されました。

電気代を節約するコツ

電気代値上げの状況はしばらく影響が続きそうですが、生活の中で少しでも電気代を抑える工夫をしたいと考える人も多いでしょう。

一人暮らし世帯では、できる限り節電を試していたり、大家族世帯では電気の使用料も必然的に増えたりと生活環境によって、消費電力も違い、節電のスタイルも変わります。新たにトライできる節約方法はあるでしょうか。

ここからは、「自家発電設備の設置」「電力会社の乗り換え」「電気料金プランの見直し」の見出しごとに電気代を節約するコツをお伝えしていきます。今後しばらくの電気代値上げに備えて、参考にしてください。

自家発電設備の設置

災害時の電力確保や省エネの観点からも自家発電は有効な手段です。その種類は、ソーラーパネルや、家庭用燃料電池、燃料式発電機など費用やメリット、デメリットなどさまざまです。

ソーラーパネルを屋根につけている住宅をみることも珍しくなくなりました。良く太陽のあたる場所に設置ができれば、晴れの日の昼間の発電で10時間~14時間程度は利用できます。

家庭用燃料電池は、エネファームとよばれています。ガスから取り出した水素と空気中の酸素が化学反応することで電気を作ります。また、その際に発生する熱でお湯を沸かしお風呂などの給湯にも利用できる省エネ性の高い自家発電です。

燃料式発電機は、ガソリンやカセットボンベを燃料として発電することができます。発電量が大きいのが特徴で、災害や停電時にも家電を稼働するのにもパワーを発揮します。

デメリットとして、騒音が気になる場合がありますので、選ぶ際に注意が必要です。家庭の環境にあった自家発電設備を設置するとよいでしょう。 

電力会社の乗り換え

2016年4月に電力自由化が解禁され、新規参入する電気事業者が増えたことにより、消費者の選択肢が広がり、個人が電力会社を選べる時代になりました。

各社お得なプランを取り揃えています。既存の電力会社から別の電力会社に乗り換えを行うことで、電気代が安くなれば節約になります。

手続きが面倒くさいと思うかもしれませんが、ほとんどの場合ネットから申し込みが可能です。まずは、毎月の電気使用量と金額を確認、料金をシミュレーションをするとよいでしょう。

乗り換える電力会社が決まったらネットから申し込むだけ。現在入っている電力会社への解約は新しく入った電力会社が行ってくれる場合もあるので意外と手間が少なく簡単に乗り換えが可能です。

注意したいのは、新電力の場合は、大手の規制料金より割安の場合もある一方で、自由料金プランのみで、上限の設定がなかったり、自社の判断のみで上限の撤廃をできたりする点です。解約金が発生することもありますので、十分に調べ納得した上で乗り換えをおこないましょう。

電力会社が多すぎてどれがいいか分からない、などの方におすすめなのが以下の記事です。おすすめの新電力会社や各社のプランを徹底比較しています。ぜひ併せてご覧ください。

おすすめの新電力会社や料金プランを徹底比較している記事はこちら

電気料金プランの見直し

電気代の節約に効果的なのは、電気料金プランの見直しです。電気料金の仕組みをしり、使用料に対して電気料金プランが合っているか確認することが重要です。

インターネットから簡単に比較検討できるので、電気代高騰に困っている方や電気代を節約したいとお悩みの方は、まずは比較してみることをおすすめします。

「規制料金」で値上げした電力会社大手7社は、「自由料金」でも値上げをしています。しかし、中国電力と沖縄電力、北陸電力は実は4月に値上げ済みで、今回の規制料金の値上げ幅よりも大きいため、その分は値下がりする形となっています。

現在の電気料金プランが最適か家庭の使用パターンに合っているかどうか確かめてみてください。ネットから家庭のニーズに合った電気料金プランを比較して選びましょう。

例えば、東京電力なら「プレミアム」「スタンダード」「夜トク」といった家族構成やライフスタイルに合ったプランの提供もしています。

電気料金プランの見直しと電気代節約の組み合わせは、家計にやさしい選択です。快適な生活を続けながら、財布にも環境にも優しい方法を見つけましょう。電気料金プランの見直しは案外、忘れられがちな節約方法ですが、年間にすると、意外と大きな金額の節約ができる場合もあります。

省エネ性能の優れた家電の買い替え

日常生活に欠かせない電化製品は、快適な生活を送るために必要不可欠です。

しかし、これらの家電製品が古くなるにつれ、エネルギー効率が低下し、電気代が増えてしまうことがあります。そこで、省エネ性能の優れた家電の買い替えについて考えてみましょう。

家電の消費電力家電は、冷蔵庫、照明器具、テレビ、エアコンの順で多いとされています。省エネ家電は年々進化していますので、新しい家電に買い替えをするだけでも消費電力が抑えられることが期待できます。

電気代値上げの予測とまとめ

いったい電気代の値上げはいつまで続くのか気になるところです。値上げの要因になっている、ウクライナ情勢はロシアの姿勢を鑑みても短期的な解決が望めるとは考えにくいです。

そうなると、世界的に燃料不足が解消せず、各国の燃料を確保する姿勢も強まっていき、価格の上昇が続くことも十分考えられます。

また、再エネ賦課金がどんどん高くなっている事情もあります。再生可能エネルギーの拡大に頼るのではなく、安定的な供給が叶う原発の再稼働などの電力を確保することも大事な解決策と言えます。

以上のことからも、根本的な原因の解決が見出せない現状では、電気代の値上げは続いていく可能性が高いと言えるでしょう。

電気料金の推移

大手電力会社には、「燃料費調整」という仕組みがあります。燃料の価格によって、調整額を計算した元に電気料金が決まります。調整額が規制料金より上回れば高く、下回れば安くなります。しかし、規制料金は上限が決まっているため、上限より上回った場合は、電力会社の負担となり赤字となってし舞います。

一方、自由料金の新規参入電力会社には、上限はありません。その結果何が起こったかというと、2022年8月以降、規制料金よりも自由料金の方が電気代が高くなってしまいました。

2023年6月大手電力会社7社によって、電気料金値上げの申請がされたことと、政府の「電気ガス価格激変緩和対策事業」によって、電気代高騰は一時的に落ちつた状況を取り戻しました。

値上げ幅と影響

電気代の値上げ幅は、14%〜42%です。数字的にも大きな差がありますが、住んでいる地域の気候によって厳しい影響を受けることが考えられます。一般家庭では、これから迎える冬は特に豪雪の地域では、暖房は命を守るためには欠かすことができないものです。

政府の「電気ガス価格激変緩和対策事業」が続いているとはいえ、今のところの延長は12月使用分まで。1月以降は一番寒い季節を迎えますので、何らかの対策が必要になります。

また、企業でも電気代の値上げは、運用コストを増加させます。これにより、収益に影響を及ぼす可能性があり、厳しい状況になってしまいます。

今後の電気料金の見直し

今後の電気料金に関する見直しは、私たちの日常生活やビジネスにも影響を及ぼす問題です。消費者や企業は、値上げの続く状況に不安が拭えません。

今後、電気代の見直しを検討されているのであれば、ここまでで、紹介した「電力会社の乗り換え」や「電気料金プランの見直し」を参考に今後の電気料金の見直しを行ってみてはいかがでしょうか。

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