仏壇処分の方法|費用相場・おすすめ業者・魂抜きについても!

「仏壇を継承することになったが大きいため処分を検討している」「引越しを機に仏壇を買い替えるため、今まで使っていた仏壇は処分したい」などと考えている方も多いのではないでしょうか。
近年、仏壇の継承が困難になり、処分されるケースが増えてきています。
仏壇は一度購入したら長く使用するものなので、普通のごみのように扱えないという方もいるのではないでしょうか。
この記事では、仏壇の処分の事前準備から実際の処分方法、処分にかかる費用までまとめているので、ぜひ参考にしてください。
目次
※相場情報は実際の買取価格と異なる可能性がございます。
仏壇の処分方法法と費用
仏壇の具体的な処分方法は以下の通りです。
- 菩提寺に依頼する
- 仏壇・仏具店に引き取ってもらう
- 自治体に回収してもらう
これら仏壇の処分方法とそれにかかる費用をひとつずつ確認していきましょう。
菩提寺に依頼する
ご先祖様のお墓があったり、檀家になっていたりする寺院があれば、仏壇の引き取りもそちらにお願いするのがスムーズでしょう。
このように家のお墓がある寺院を菩提寺と呼びます。
菩提寺や檀家を持つ寺院と聞くと断られてしまう印象を持たれている方も多くいらっしゃるかと思いますが、菩提寺ではなくてもお性根抜きから仏壇の引き取りまでを行ってくれる寺院もあります。
- 費用相場…5,000~40,000円
この場合、読経をしていただいたり、戒名をつけていただいたりしたお礼として僧侶に渡す金銭「お布施」という形になるため、費用に関する明確な決まりはありません。
近年では、防災や環境への配慮の観点から、引き取りやお焚き上げを行っていない地域もあるので、事前に確認するといいでしょう。
お布施について
なお、「布施」とは元々修行の一種で、「布」を「施す」と書くように、「与えること」で贖罪や徳を積む行為を指します。
すなわち、あくまで自発的な行為ということになりますので、寺院にお布施の金額をいくらにすればいいかを尋ねても、お坊さんからすると「お気持ちで」と返答するしかありません。
「布施」の本質的な意味からすれば、お布施の相場を一概に言うことはできないものですが、現実問題として一応の目安を知っておくと余計なトラブルを招かずに済みます。
ちなみに、お布施を渡す行為は法要を依頼する側の「徳を積むための行為」ということになります。
「布施」の本来の意味に律儀かつ厳格であればこそ、お坊さんはお布施をもらっても「ありがとう」と述べることはできません。
もし感謝の言葉がなくても、そのような理由があるということを知っているなら、気分を害さずにすむでしょう。
▼魂抜き・お性根抜きについてお布施の金額について解説しているのでご参考ください。
仏具店に引き取ってもらう
家系の宗派がよくわからない場合や寺院との付き合いを持つことに抵抗がある方など、寺院に仏壇の処分を依頼しにくいのであれば仏具店などに引き取りを依頼する選択肢もあります。
仏具店では、新品の仏具や仏壇などを販売するほかに、古い仏具や仏壇の引き取りサービスを行っているところもあります。
費用は多めに掛かってしまいますが、寺院に頼めない場合は引き取りの可否を相談してみる価値はあります。
また、新しく仏壇を買う場合は、古い仏壇を下取りの形で処分することもできます。
お性根抜きと仏壇の処分をセットで受け付けている仏具店もあります。
処分の一連の流れをまとめて任せられれば、手間の面では楽にすませることができます。
- 費用相場…20,000~80,000円
仏壇の大きさや運搬距離などによって金額に大きな差がありますので、依頼するときに見積もりをとって事前に確認しましょう。
中には、自分で店舗まで持ち込むことで安く済むケースもあります。
お性根抜きに掛かる費用
仏壇を設置するときやお墓を建てたとき、多くの場合はそれらに魂を入れる儀式である「お性根入れ」を行います。
お性根入れとは、新しく仏像を造った際、「最後に眼を描くことにより、ただの像に魂が宿って仏像になる」という言い伝えに由来しており、のちに儀式として定着したものです。お性根入れを行うことで、ただの石がお墓に、木造の箱が仏壇になり、そこにご先祖様の魂が入ると言われています。
お性根入れが行われた仏壇にはご先祖様の魂が宿っているとされるため、処分する際にはこれとは逆に魂を抜く儀式である「お性根抜き」を行います。
お性根抜きは寺院に依頼できますが、「どこの寺院に頼めばいいかわからない」、「寺院と関わったことがないためよくわからない」、「寺院との付き合いを持ちたくない」といった事情がある場合は、お坊さんを手配してくれるサービスもありますので、インターネットなどで検索し、利用するのもいいでしょう。
お性根入れもお性根抜きも必ずやらなければならないことではありません。
礼拝の対象物として仏壇を扱う以上は、形式的な意味合いのためだけではなく、心情的に区切りをつけるためにも行っておく方が少なくないようです。
お性根抜きの費用は、寺院に頼む場合はお布施による寄付という形で納めることになります。
檀家の寺院に依頼するならば、過去にお願いした法要などの経験からある程度の金額は決まってくるでしょう。
一般的な目安としては10,000~50,000円程度と言われていますが、宗派などによっても異なります。
一方、お坊さんの手配サービスでは、30,000~40,000円程度でお布施の料金もはっきりと決まっていますので、悩む必要はないでしょう。
自治体に回収してもらう
お性根抜きを行った仏壇は、宗教上でもただの木の箱ですのでごみとして収集してもらうことも可能です。
大きい仏壇は粗大ごみとして収集依頼をすることになりますが、細かく解体した仏壇は、木は燃えるごみとして、金具などは不燃ごみとして分別して出せる場合もあります。
粗大ごみとして扱うのか、燃えるごみなどにして出せるのかは、地域のごみ収集ルールに従ってください。
例えば、杉並区で仏壇を粗大ごみに出す場合、取り扱いは箱物家具となり大きさの決まりと料金は以下のようになっています。
箱物家具(高さ、幅及び奥行きの合計が180㎝未満のもの) | 400円 | [A券200円] x 2(2) |
---|---|---|
箱物家具(高さ、幅及び奥行きの合計が180㎝以上225㎝未満のもの) | 800円 | [A券200円] x 1(2), [B券300円] x 2(0) |
箱物家具(高さ、幅及び奥行きの合計が225㎝以上315㎝未満のもの) | 1,200円 | [B券300円] x 4(0) |
箱物家具(高さ、幅及び奥行きの合計が315㎝以上405㎝未満のもの) | 2,000円 | [A券200円] x 1(2), [B券300円] x 6(0) |
箱物家具(高さ、幅及び奥行きの合計が405㎝以上のもの) | 2,800円 | [A券200円] x 2(2), [B券300円] x 8(0) |
仏壇を地域のごみ収集に出したい場合は、まずお住まいの市区町村でのごみ出しのルールをお確かめください。
粗大ごみとして取り扱うか、分解して燃えるごみおよび不燃ごみに分別して出すかのどちらかとなります。
粗大ごみとして区分される条件は各自治体によってルールが異なります。
仏壇を粗大ごみに出す場合
仏壇を粗大ごみとして処分する場合の費用は、お住まいの地域の粗大ごみ品目一覧などで確認してください。
粗大ごみの品目一覧表がない、もしくは仏壇の記載がない場合は、粗大ごみの条件と照らし合わせてみましょう。
粗大ごみの条件は地域によって異なりますが、品目の幅・奥行・高さの3辺の合計もしくは最も長い辺の長さや重量などによって、出したい品目が粗大ごみに区分されるかどうかと、粗大ごみの中での料金区分を決められることが多いです。
大きさや重さも不明瞭であれば、市区町村のごみ出し窓口までお問い合わせください。
粗大ごみの収集費用としては、数百~2,000円程度が相場です。
戸別回収に来てもらうか、集積場に自分で直接持ち込むかなど、出し方によって掛かる費用が違うこともあります。
これも地域によって様々ですので、よく確認した上でご自身に都合のいい方法を選択しましょう。
小さい仏壇やばらばらに解体された仏壇であれば、粗大ごみの条件には合致せず、燃えるごみや不燃ごみとして出せる可能性もあります。
仏壇を燃えるごみ・不燃ごみに出す場合
燃えるごみや不燃ごみとしてごみ収集に出せる自治体でも、仏壇を解体した際には、金属部分などを燃えるごみから分けるように気を付けてください。
燃えるごみや不燃ごみの処分費用も、自治体によって様々です。
指定された曜日に無料で回収してくれるところもあれば、有料のごみ袋を買わなければならなかったり、有料のごみ出しシールを貼り付けて出さなければならなかったりと、ルールは市区町村によりまちまちです。
有料のごみ袋の場合は、一袋当たり数十円程度のところが多いようです。
仏壇の処分・供養ができる業者5選
ここでは、仏壇の処分・供養ができる業者をまとめています。
気になった業者が見つかったら、資料請求や電話での相談からでもはじめてみるといいでしょう。
おいくら

出典:おいくら
おいくらは、不要になった家具・家電をはじめ、ブランド品、骨董品、本などさまざまな品物の一括買取査定の依頼ができるサイトです。
全国のショップが登録されていて、総合リサイクルショップ、質屋、専門店など、規模の大小や業種に関わらず幅広く掲載しています。
必要なデータを入力するだけで、簡単に希望のショップ、高価買取しているショップを見つけることが可能です。
すべてのサービスは、原則として24時間無料でご利用いただけます。
仏壇・仏具のように買取を行っている業者が限られている物や、その他買取が難しいかなと思うような品物も、処分する前に査定を依頼してみてはいかがでしょうか。
みんなの遺品整理
出典:みんなの遺品整理
仏壇を含めてあらゆる物の整理を検討している方にもおすすめなのが遺品整理業者の一括見積サービスです。
「みんなの遺品整理」なら一回のお問い合わせで最大3社まで最適な業者を紹介してくれるため、業者同士の料金やサービス内容を比較検討することができます。
掲載企業すべてプロの遺品整理しが在籍しているため安心です。
小さなお葬式
出典:小さなお葬式
不透明なお葬式費用を明確化しニーズに応じたプランを提供している小さなお葬式でも仏壇の引き取りが可能です。
粗大ごみとして捨ててしまうことに抵抗がある方や、最後までしっかり供養したいとお考えの方はぜひ一度相談してみることをおすすめします。
仏壇処分.com
出典:仏壇処分.com
電話一本で無料見積もりから引き取りまで実施している仏壇供養・処分専門サービスです。
ホームページには料金も仏壇のサイズに合わせて明確に記載され、引き取りの流れも説明されているためわかりやすいです。
創業30年の会社が運営しているサービスのため安心して依頼できるのではないでしょうか。
仏壇処分のクマダ
出典:仏壇処分のクマダ
創業60年の寺院向け仏具を中心に製造してきた仏壇仏具メーカーの仏壇供養・処分サービスです。
仏壇供養時のお経、職人による解体、供養証明書の発行など確かなサービスを提供しています。
ホームページ上には簡単お見積りシステムがあり、仏壇のサイズを入力することで目安の処分金額が把握できるようになっています。
仏壇処分の注意点
仏壇を処分する際の注意点は以下の通りです。
- 閉眼供養を行う
- 引き出しなどの中身を確認する
- 宗教・宗派に即した処分をする
これら仏壇を処分する際に必ず押さえておきたい注意点をひとつずつ確認していきましょう。
閉眼供養を行う
宗派によって異なりますが、仏壇を新たに購入する際には「閉眼供養(へいげんくよう)」を行います。
閉眼は「仏の目を閉じる」という意味で、「閉眼供養」は宿っている故人の魂を抜き取る儀式を指します。
閉眼供養は故人の魂を扱う大切な儀式なので、間違った手順や方法で行ってしまわないよう注意が必要です。
素人の知識だけでは行うことができないため、これまでお世話になったお寺や僧侶への感謝の気持ちも忘れることなく行いましょう。
引き出しなどの中身を確認する
仏壇の中には、複数の収納場所があります。
仏壇の管理方法や状況によっても異なりますが、通帳や貴重品、現金などを入れているケースもあります。
仏壇を処分もしくは買い替える場合には、すみずみまで確認するようにしましょう。
宗教・宗派に即した処分をする
仏壇の処分方法は、宗教・宗派によって大幅に異なります。
業者や自治体では分かりかねるケースがあるので、菩提寺に相談してみるといいでしょう。
自分にとって最善の方法を選ぼう
生涯において何度も行うことのない「仏壇の処分」について、法要やご供養にも触れながらご紹介しました。
仏壇にはご逝去された方への想いが詰まっているので、やむなく処分することになったとはいえ、ご供養だけは続けられるように儀礼に従って行おうとする方は少なくありません。
お性根抜きなどは仏教上の儀式の一つに過ぎませんが、気持ちに区切りをつけて、その後も故人を偲びつつ生活を続けていくために大切な意味を持つ、と多くの方が考えています。
宗教信条や考え方は人によって異なりますので、仏壇をどう処理すべきかの考え方も様々です。
仏壇を処分する際には、今回の記事にある内容も参考にしつつ、ご自身にとって最善の方法をお選びください。
▼こちらの記事では、仏壇の買取おすすめ業者の特徴や必要な手続きなどをまとめているので、あわせて読んでみてください。
おいくらは全国のリサイクルショップが加盟する一括査定サービスです。
家電や家具などあらゆる不用品の情報を送るだけで、複数の買取業者から買取価格の見積りをまとめてもらうことができ、お得な価格で売却できるショップが簡単に見つかります。
処分しようと考えていた物に思わぬ価値があるかもしれません。