【川越市長インタビュー】官民連携で拓く「リユースが当たり前」の未来 〜ごみ問題解決と持続可能なまちづくりへの挑戦〜

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最終更新日:2026/06/18

ごみ処理費用増大が課題となる中、川越市(森田 初恵 市長)は、循環型社会構築を目指し、2025年10月6日、リユースプラットフォーム「おいくら」(マーケットエンタープライズ運営)と連携協定を締結しました。

これまで市が課題としていた処理費用負担や市民への啓発に対し、本連携により、市民は「おいくら」の一括査定出張買取を利用し、大型品のリユースが容易になります。

森田市長は、リユース意識の変化とごみ排出量の抑制に期待を寄せており、本記事ではこの官民連携の取り組みに込められた市長のビジョンと具体的な戦略を伺います。

プロフィール:森田 初恵(もりた はつえ)
  • 平成17年に早稲田大学法学部を卒業。卒業後の平成20年9月に裁判官に任官し、司法の分野で長きにわたり活躍。令和6年6月をもって裁判官を退官した。
    令和7年2月8日から川越市長として就任し、政治信条として「聴く」「見る」「話す」の3点を掲げている。
    趣味は茶道とテニス。好きな食べ物はだんご(醤油)とうなぎ。
    ⇒川越市ホームページはこちら

喫緊の課題への挑戦:川越市が目指す「ごみ減量」の現状と課題

川越市は以前からリユース活動を推進してきましたが、ごみ処理費用や市民への啓発に課題を抱え、新たなリユース施策を模索していました。

本見出しでは、ごみ問題に対する川越市の現状認識と、リユース事業に期待する具体的な効果について焦点を当てます。

Q. 現在、貴自治体のごみ排出量について、どのような課題を認識されていますか?

近年、ごみ排出量の下げ止まりが全国的な課題となる中で、川越市のごみ排出量は令和4年度までは約10万トン超で推移していましたが、令和5年度・6年度については約96,000トンとなり、約4,000トンの減量が見られています。

しかし、今後もさらなるごみ排出量減量を目指すには、市民に対してごみの分別やリユースへの啓発が必要不可欠であると考えています。

Q. ごみ減量・リユースの推進は、ごみ処理コストの削減につながるでしょうか? また、「おいくら」の導入で自治体としてどのような効果を期待されていますか?

ごみ排出量の減量とリユースの推進は、ごみの排出量の減量だけでなく、処理コストの低減にも関連します。自治体としての大きな課題となっているごみ排出量減量のさらなる推進が図られることを、「おいくら」の連携を通じて期待しています。

市民が売却という形で簡単に不要品リユースができることを認知することで、二次流通の活性化による不要品削減や、自治体の廃棄物処理量や処理コスト削減にもつながることが見込まれます。

 

オンライン×オフライン:リユース浸透を加速させる戦略

川越市は、既存のオフライン拠点である環境プラザ(つばさ館)で再生家具・自転車の頒布やリユース品の頒布といった取り組みを実施してきました。

今回、オンラインサービスである「おいくら」と連携することで、リユース活動の促進剤としての効果が期待されています。

Q. 既存のオフライン拠点環境プラザ(つばさ館)とオンラインの「おいくら」連携は、どのように市民へのリユース浸透を加速させるとお考えでしょうか?

オフラインの環境プラザ(つばさ館)では、取り扱うリユース品の制限がある点や、訪問引き取りを行わないなどの限定的な取り組みが課題となっていました。また、施設への市民の交通アクセスにも課題があります。

これに対し、「おいくら」は「一括査定」や「出張買取」が可能であり、リユース活動の選択肢が大きく増えます。この連携効果により、不用になったものを廃棄処分とするか、リユースで「活かす」かを市民が再考する促進剤となりうると考えています。

Q. 「おいくら」導入により、特に市民の利便性向上につながったと感じる具体的なメリットは何でしょうか?

「おいくら」では、希望すれば自宅の中まで訪問し、運び出しまで対応する「出張買取」が可能です。これにより、大型品や重量のあるものでも売却が容易になります。

さらに、川越市では回収ができない冷蔵庫や洗濯機などの家電リサイクル法対象製品も、まだ使えるものであれば売却できる可能性があります。市民の皆様には、売却という形で簡単に不要品リユースができるという選択肢が増えることになります。

Q. リユースを促進しつつ、市内の地域経済を活性化させるための市長のビジョンをお聞かせください。

適切なリユース施策を事業者とコミュニケーションを図りながら進めていくことで、環境負荷低減に資する取り組みを実施し、安全・安心なリユース市場の形成を目指していきたいと考えています。

また、事業者の製品等の製造・廃棄にかかる二酸化炭素の排出量削減や、製品等購入に際してのエシカル消費の推進を啓発していくことも肝要であると認識しています。

 

持続可能な社会へ:首長のビジョンと未来のまちづくり

川越市とマーケットエンタープライズの連携は、地方創生を念頭に置いた循環型社会の形成に向けた、社会的側面・経済的側面の双方の課題解決を目指す官民一体の取り組みです。

この取り組みに込められた森田市長のビジョンと、市民へのメッセージについて伺いました。

Q. 首長として、今回の「おいくら」との連携にどのようなビジョンや思いを込めていますか?

今回の協定締結は、価値あるものを必要な人へつなぎ、「持続可能な社会を実現」することを目指すものです。

リユースという言葉が浸透したと感じられる一方で、市民がより身近に行うことができる手段を模索してきた中で、今回の連携を通じて、市民のリユース活動に対する意識変化につながることを期待しています。

Q. 2050年カーボンニュートラルの実現に向けた貴市の全体戦略の中で、リユース事業はどのような役割を担うとお考えでしょうか?

川越市は「小江戸かわごえ脱炭素宣言」として、2050年二酸化炭素排出量実質ゼロの脱炭素社会を目指し、市民・事業者・民間団体と力を合わせて地球温暖化対策に取り組んでいます。

その中で、ごみを減らすための「リユース」は家庭でできる身近な地球温暖化対策の一つです。リユース事業を推進することで、SDGs(持続可能な開発目標)のうち、「つくる責任、つかう責任」に対し、環境負荷を低減しつつ、経済成長を図る、持続可能な社会の構築・まちづくりに寄与してまいります。

Q. 最後に、市民の皆様に向けて、リユースの推進と循環型社会へのメッセージをお願いします。

リユースによる一人ひとりの意識変化は、ごみの排出量の減量や処理コストの低減にも関連する重要な取り組みです。

市民の皆様には、「廃棄ではなく、リユースする」という選択肢を身近に感じてもらえるよう、リユースが“当たり前”となるよう、より身近な施策・情報をこれからも発信してまいります。

 

まとめ

川越市とマーケットエンタープライズの連携は、既存の課題を民間の力を借りて克服し、市民の利便性と環境負荷低減を両立させる、地方創生を念頭に置いた先進的な事例です。

市民がリユースを「当たり前」の選択肢として捉え、「価値ある資源」へと変える意識改革が、持続可能な未来のまちづくりへの確かな一歩となります。