【上牧町長インタビュー】「捨てればごみ、活かせば資源」を形に。上牧町が挑むリユース主導のまちづくり

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最終更新日:2026/06/18

全国の自治体が「ごみ排出量の下げ止まり」と「処理コスト増」に悩む中、奈良県上牧町はリユースプラットフォーム「おいくら」との連携を開始しました。

阪本正人町長が掲げるのは、単なる減量を超えた多角的な戦略です。処理費の削減、二酸化炭素抑制、さらには災害廃棄物の削減による「防災力の強化」までを見据えています。

本記事では、次世代教育も視野に入れた、持続可能なまちづくりのロールモデルに迫ります。

プロフィール:阪本 正人(さかもと まさひと)
  • 昭和54年に上牧町役場に採用され、長年にわたり町政の現場で尽力。総務部長などの要職を歴任し、行政経験を培った。
    役場を退職後、令和3年4月から令和6年12月末まで副町長として在任。そして、令和7年3月23日から上牧町長に就任し、政策目標として「誰もが未来への『希望』を持ち、住み続けたいと思えるまちづくり」を掲げている。
    ⇒上牧町ホームページはこちら

「おいくら」連携で加速するごみ減量と、3Rが育む地域の絆

――全国的にごみ排出量の下げ止まりが課題となる中、上牧町では廃食用油やペン回収など多様なSDGs施策を展開されています。今回の「おいくら」との連携により、資源化可能なごみの削減や町民へのリユース意識の浸透をどのように加速させるお考えでしょうか?

当町で実施した令和7年度組成分析調査では、排出されたごみの10%以上に資源化可能なものが含まれており、分別の徹底によりさらなる減量が可能と考えています。これまで取り組んできた各種回収事業やフリーマーケットに加え、今回「おいくら」との連携という新たな選択肢が加わることで、住民のリユースへの関心がより一層高まるでしょう。

これらの施策や「おいくら」を通じた啓発を強化し、町全体での排出量抑制を加速させていきたいと考えています。

 

――上記質問に関連し、SDGsに向けた取組みはコスト面や町民の意識変革において、どのような効果をもたらしていると感じますか?

上牧町は3R(リデュース・リユース・リサイクル)を町として推進しています。

日々の暮らしの中で、住民の皆さんが当たり前に3Rを実践していくことで、ものを大切にし、いらなくなったものを互いに譲り合う等をとおし、付随効果として自然と助け合いの精神が培われるのではないかと期待します。

 

ごみ減量だけじゃない、防災にも繋がるリユースの力

――上牧町では遺品整理や終活で出た粗大ごみが処理費用の負担を増加させていることが課題として挙げられていますが、「おいくら」連携にあたり、自治体として特にどのような効果を期待されていますでしょうか。

この連携ではよい効果しかないと感じています。

廃棄物が削減されることで、処理・運搬費用の削減が期待されることはもちろんですが、町民の皆さんの粗大ごみ廃棄に関する困りごとが減るというのが最も重要なポイントです。

また、地球温暖化防止に貢献できたり、日頃から粗大ごみ等の整理をしたりすることで大規模災害発生時の災害廃棄物量が減り、まちの復興を早めることにつながることに期待しています。

 

――他自治体と比較して上牧町のリユース・SDGsに向けた取り組みで特に力を入れている、または今後強化していきたい点はございますでしょうか。

上牧町は大型の小売店等、店舗が多くあります。そうしたことから、今後は事業所に働きかけることで、リユースを含めた廃棄物削減の取組を進めていければと考えています。

 

未来への投資。リユースが支える「住み続けたいまち」

――リユースの促進は、住民の皆様の廃棄物処理に伴う負担軽減や、町全体の環境負荷低減に大きく寄与するものと考えます。町長が掲げる「誰もが未来への『希望』を持ち、住み続けたいと思えるまちづくり」というビジョンにおいて、今回の「おいくら」連携はどのような役割を果たすとお考えでしょうか?

「誰もが未来への『希望』を持ち、住み続けたいと思えるまちづくり」、これが私の掲げる政策目標です。

今回の「おいくら」連携は、このビジョンを具現化する一助になると確信しています。具体的には、不要品を「ごみ」として処分するのではなく「リユース品」として再利用することで、個人にとっては処分費用の節約になり、町にとっては廃棄物処理コストの削減につながります。

このように、官民が協力して経済的・環境的な負担を抑える仕組みを整えることは、将来世代に負担を先送りしない、持続可能なまちの土台となります。日々の暮らしの中で「もったいない」を形にできる環境を整えることで、誰もが安心して住み続けられる、希望ある上牧町の未来を築いてまいりたいと考えております。

 

――ごみの削減やリユースの推進は、住民一人ひとりの意識が重要となります。町長として住民の皆様に直接お伝えされたいメッセージがございましたらお聞かせください。

「おいくら」との提携により、町民の皆さんの利便性が向上し、より住みよいまちとなることを切に願います。

しかし、廃棄したいものを「リユース」とするか、「ごみ」とするかは、一人一人の心がけ次第となります。行政と一緒に、町全体で一丸となって取組を進めていきましょう!

 

未来への投資。次世代へ繋ぐ3Rと環境学習

――さいごに、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、リユース事業はどのような役割を担うとお考えでしょうか? 貴町が目指す未来のまちづくりについて町長のお考えをお聞かせください。

リユース事業を推進することは、未来への投資となると考えます。

さらに、2026年度から新たに小学生向けに環境学習を取り入れる予定であり、家庭で3Rについて話し合う機会を設けたり、子どもの頃から3Rを当たり前のものとすることで、2050年に向けて自然と町全体がカーボンニュートラル実現に向かう足がかりになると期待しています。

 

まとめ

上牧町が取り組む「おいくら」との連携は、単なるごみ減量の手段にとどまりません。それは住民の経済的負担を減らし、町の防災力を高め、さらには次世代へ「もったいない」の精神を繋ぐ、多角的な未来への投資です。

「捨てればごみ、活かせば資源」。阪本町長が語るように、一人ひとりの心がけが、カーボンニュートラルの実現と、誰もが希望を持てる持続可能なまちづくりの大きな原動力となります。

官民が手を取り合い、町一丸となって進める上牧町の挑戦は、循環型社会の新たなロールモデルとして今後も注目を集めていくことでしょう。