リサイクルショップ運営者が買取時に実施すべき義務や注意事項とは?

リサイクルショップ運営者が買取時に実施すべき義務や注意事項とは?

古物営業を行う上で、盗品を売買してしまうことを防止する目的で、古物営業法施行規則では、買取をする際に相手方の身分確認を義務付けています。
その方法について見ていきましょう。

買取依頼者の身分確認方法

対面の場合の確認方法

対面の場合には身分証明書を提示してもらう方法と、文書を受け取る方法があります。

以下、古物営業法施行規則の条文の引用です。

(確認の方法等)
第十五条 法第十五条第一項第一号の規定による確認は、身分証明書、運転免許証、国民健康保険被保険者証等相手方の身元を確かめるに足りる資料の提示を受け、又は相手方以外の者で相手方の身元を確かめるに足りるものに問い合わせることによりするものとする。

2 法第十五条第一項第二号に規定する署名は、当該古物商又はその代理人、使用人その他の従業者(次項第七号及び第四項において「代理人等」という。)の面前において万年筆、ボールペン等により明瞭に記載されたものでなければならない。この場合において、古物商は、当該署名がされた文書に記載された住所、氏名、職業又は年齢が真正なものでない疑いがあると認めるときは、前項に規定するところによりその住所、氏名、職業又は年齢を確認するようにしなければならない。

古物営業法施行規則(平成七年九月二十日国家公安委員会規則第十号)より引用

身分証明書は運転免許証や健康保険証などを用いることが多いです。
この際に住所、氏名、年齢、職業を確認します。

職業は会社員や自営業だけでは足りず、具体的な勤務先の確認まで行う必要があります。
身分証明書だけでは確証が得られない場合には、勤務先など第三者に問い合わせをしなければなりません。

また、身分証明書を提示させなくても、相手から住所、氏名、年齢、職業が記載された文書の交付を受ける方法での身分確認も可能です。
この方法による場合には、その文書を目の前で書いてもらう必要があります。
あらかじめ住所、氏名、年齢、職業が記載された文書の交付を受け取っても、身分確認をしたことにはならないため注意が必要です。

文書を書いている最中に不審な点が見受けられた場合には、身分証明書の提示を求めたり、第三者に問い合わせたりする必要があります。

これら2つの身分確認の方法は、いずれか一方だけ行えば法律上は問題ありません。
ただ、実際にはほとんどのリサイクルショップでは、これら2つの両方のやり方で身分確認を行っています。

また、200万円を超える宝石や貴金属などの場合には、公的機関が発行している身分証明書を提示する方法によらなければなりません。

対面以外の場合の確認方法

取引の相手が宅配便などを利用して、買取をしてもらう古物をリサイクルショップに送る形で取引することもあります。
この場合には、直接相手と顔を合わせないため、身分確認の方法も異なり、8種類の方法が認められています。

1つは電子署名のあるメールを用いる方法です。
電子署名は実印と同じ効果を持ちます。

2つめは実印を押した書面と印鑑証明書を送付してもらう方法です。
書面の形式は特に限定されていませんが、住所、氏名、年齢、職業の確認も併せて行う必要があります。

3つめは本人限定受取郵便物等を利用するやり方です。
送付してから到達を確認することで、身分確認ができます。

買取をする古物を送る際に、送付した本人限定受取郵便等を同封させるやり方や、受取票や受取番号などが記載された書類を同封する方法などがあります。
受け取っていなければ、買取の手続きを進められないようにします。

4つめは古物の買取代金を本人限定受取郵便の現金書留で支払う方法です。
本人でなければ代金を受け取ることができません。
住所、氏名、年齢、職業の確認も併せて行います。

5つめは相手から住民票を送付してもらい、その住所に転送不要の簡易書留を送る方法です。
到達が確認できれば、本人確認をしたことになります。
この際にも住所、氏名、年齢、職業の確認が必要です。

6つめは相手から住民票の写しを送付してもらい、その名前と同一名義の銀行口座に買取代金を振り込むやり方です。
銀行口座開設の際に身分確認が済んでいるため、本人確認をしたことになります。
併せて、住所、氏名、年齢、職業の確認も行います。

7つめは相手から本人確認書類のコピーを送付してもらい、その住所に転送不要の簡易書留を送ります。
その到達を確認してから本人名義の銀行口座に買取代金を振り込むやり方です。

この方法でも住所、氏名、年齢、職業の確認が必要です。
宅配買取を行っているリサイクルショップの多くがこの方法を用いています。

8つめはIDとパスワードを用いる方法ですが、2回目行以降の取引相手のみに対して行えます。1回目の取引の際に、あらかじめIDとパスワードを発行しておき、ホームページなどからログインする仕組みです。
宅配買取を行っている大手のリサイクルショップの多くが採用しています。

買取依頼者の身分確認方法

取引記録の義務について

リサイクルショップは、古物営業法施行規則により、一定の取引に関して記録しておき保管する義務を負います。

古物台帳の記録・保管義務がある

万が一、盗品などを買い取ってしまった場合に備えて、リサイクルショップには取引を記録し保管しておくことが、古物営業法で義務付けられています。

(帳簿等への記載等)
第十六条 古物商は、売買若しくは交換のため、又は売買若しくは交換の委託により、古物を受け取り、又は引き渡したときは、その都度、次に掲げる事項を、帳簿若しくは国家公安委員会規則で定めるこれに準ずる書類(以下「帳簿等」という。)に記載をし、又は電磁的方法により記録をしておかなければならない。(以下省略)

古物営業法(昭和二十四年五月二十八日法律第百八号)より引用

例外として1万円未満の買取に関しては記録する義務を負いません。

しかし、例外の例外として、バイク、原付、ゲームソフト、CD、DVD、レーザーディスクなどの買取に関しては、1万円未満でも記録しておかなければなりません。
つまり、ほとんどの買取品に関して記録が義務付けられています。

記録の保管期間は古物営業法で3年と規定されていますが、200万円を超える場合には犯罪収益移転防止法の規定が優先され、7年になっています。

記録すべき事柄

記録に使用する帳簿の様式は特に指定されていませんが、記録すべき事項の項目をすべて設ける必要があります。
記録すべき事項は、取引年月、品目・数量、古物の特徴、相手方の住所、氏名、年齢、職業、身分確認のためにとった方法などです。

記録すべき項目がきちんとすべて設けられていれば、紙の帳簿でなくても大丈夫です。エクセルなどでデータとして記録しておくこともできます。

まとめ

身分確認も取引記録も、犯罪防止の観点から義務付けられているものです。
取引数が多いと手間がかかりますが、リサイクルショップを営むのであればきちんと記録しておきましょう。

身分確認や取引記録の保管義務を怠ると、営業停止処分になったり刑事罰の対象になったりする場合もあります。
また、本人確認の際に怪しい様子が見受けられた場合には、取引を中止するのが無難です。

リサイクルショップ運営の皆様へ
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