大判と小判の価値は?歴史的背景や種類別の買取相場など解説

大判と小判の価値は?歴史的背景や種類別の買取相場など解説

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主に江戸時代に流通していた大判と小判。「これらには現在いくらの価値がついているのだろうか」と気になっている人もいるのではないでしょうか。今回は、その疑問を解消するために、大判・小判の価値について説明します。

概要や歴史的背景、そして価値の決まり方についても説明するので参考にしてください。

※相場情報は実際の買取価格と異なる可能性がございます。

大判・小判とは

大判と小判は財宝の代名詞としてよく使われます。まずは、これらについて理解しましょう。ここでは、大判と小判の概要について説明します。

大判とは

大判とは、金を薄く伸ばして楕円形にしたものです。大判金や黄金などとも呼ばれています。安土桃山時代から江戸時代まで、約300年にわたって製造されていました。初めに誕生した大判は1588年の安土桃山時代です。

豊臣秀吉が彫金師の後藤徳乗に製造を命じて天正大判を作らせました。1601年になると、徳川家康により慶長大判と慶長小判が作られます。それ以降は、享保大判や元禄大判など、各期で異なる大判が作られるようになりました。

1枚の大判につく価値は種類・時代によって異なります。7両ほどのものもあれば、20両を超えるものもありますよ。なお、日本で初めて鋳造されたのは開基勝宝と言われる金貨です。非常に歴史的価値が高いとされ、現存する32枚は重要文化財に指定されています。

小判とは

小判も、大判と同じく金を薄く伸ばして楕円形にしたものです。小判と言ったら慶長小判が代表的ですが、さまざまな種類があります。価値はすべて1両です。小判は、1601年に徳川家康が後藤家に製造を命じて流通し始めます。

その後は、1860年の万延小判まで合計で10種類の小判が発行されました。小判は大判よりも流通量が多いといった特徴があります。しかし、金の産出不足や幕府の財政赤字などにより、小判の質は時代が下るにつれて落ちていったとされています。

大判と小判の違い

大判と小判の違いは、主な使い道です。大判は1枚あたりの価値が高いため、一般には流通しませんでした。基本的に、贈答用や恩賞用として用いられていたとされています。大判には、品位や量目を保証する極印や墨書きがあります。

大判と言われるだけあって、サイズが大きいのも特徴です。20cm以上の大判もありますよ。一方で小判は、貨幣として使うことを目的に製造されました。そのため、日常的な取引で使われていたものはほぼすべてが小判です。

大判と同じく極印はありますが、たくさんの枚数を発行するために墨書きは省略されています。流通量が大きくて小さい分、価値は大判に劣ります。しかし、古銭コレクターからの需要は高く、今では十分なほど高値で取引される傾向がありますよ。

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大判・小判の歴史的背景について

大判・小判の概要の段落で軽く歴史的背景について触れましたが、さらに詳しく知りたい人もいるでしょう。ここでは、歴史的背景を深掘りして説明するので、気になる人は参考にしてください。

金貨が初めて誕生したのは天平宝字4年ごろ

日本で初めて誕生したのは、開基勝宝という金貨です。天平宝字4年(760年)ごろに作られました。これまでに32枚が出土しています。非常に価値が高いとされている金貨で、一般に出回ることはありません。

すでに発掘されているものは、国の重要文化財に指定され、東京国立博物館や皇居などに収蔵されています。

大判・小判の価値が広まり始めた戦国時代

開基勝宝の誕生により、日本では金貨の歴史が動き始めました。しかし、当時はまだ金貨がそれほど流通していませんでした。一般の人々まで流通し、当たり前に使われるようになってきたのは戦国時代に入ってからです。

徳川家康の時代になると、貨幣制度が日本全国で統一されます。これによって金貨の流通が増えたため、貨幣を使った取引がより一層増えました。しかし、それと同時に貧富の差が顕著に現れるようになったと言われています。

大判・小判の価値は時代によって異なる

「大判・小判の価値はいくら」と断言することはできません。何を基準にするかで貨幣の価値は変わるからです。とくに戦国時代の大判・小判の価値を算出するのは難しいと言われています。ひとつの例として、戦国時代の米価から大判・小判の価値を算出してみます。

日本史総覧3巻(中世2)によると、1591年3月の米価は150gあたり833文だったようです。現代のお米の販売価格を10kgあたり3,500円と仮定します。この場合、「3,500円(10kg)×15=52,500円(150kg)」という計算式が成り立ちます。

この答えを使うと、「833文=52,500円」「1文=約63円」ということが分かりますね。1両は4,000文と言われていたため、「4,000文×63円=252,000円」という計算式が成り立ちます。つまり、当時の小判には1枚あたり約25万円の価値があったと推測されます。

大判は小判の10倍の価値があるとされているため、日本円に換算すると約250万円の価値があったと言えるでしょう。

大判・小判はどこで売れる?

大判・小判は、「フリマアプリ・オークションサイト」「総合リサイクルショップ」「古銭買取専門店」で買取してもらえます。それぞれの特徴は、以下の表にまとめました。

売れる場所特徴
フリマアプリ
オークションサイト
・自分の出品価格を決められる
・売買の自由度が高い
・適正価格を調べるのが難しい
総合リサイクル
ショップ
・楽に売却が完了する
・大、小判以外の不用品も合わせて売却できる
・大判、小判の知識が浅い
ところに売却すると安く買い叩かれる
古銭買取専門店・古銭の知識が豊富なので、高値で買取してもらいやすい
・出張買取では家から一歩も
出ずに買取が完了す
・古銭以外の買取には
対応していないケースが多い

売却先で迷っているのであれば、まずは古銭買取専門店か総合リサイクルショップを利用しましょう。無料で査定してくれるところが多いので、大体いくらで売れるのかがすぐに分かりますよ。

見積書に書かれている価格を比較して、最も高値をつけてくれたところに売却をすればそれで高価買取が実現します。納得のいく価値がつかない場合は、フリマアプリ・オークションサイトを利用しましょう。

自分で出品価格を決められるため、納得の売却ができる可能性が高いですよ。しかし、大判・小判は適正価格を見つけるのが難しいので、その点だけ十分注意してください。適当に出品すると安く売ってしまい、大きく損をする可能性があります。

小判や大判以外にも、古銭・記念硬貨・金の価値や買取業者などをさらに詳しく知りたい方には以下の記事がおすすめです。買取業者や天皇陛下御即位記念硬貨・元禄小判・享保小判金・K24 ・K22・K20などの買取相場やその推移などを詳しくまとめています。併せて読んでみてください。

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  • 大判・小判の種類と買取相場

    一口に大判・小判と言っても、細かく見るとさまざまな種類があります。種類によって買取相場は異なるため注意しましょう。ここでは、大判と小判の種類別に買取相場を紹介します。

    天正大判

    買取相場1,000~5,000万円
    金の含有量70~76%ほど
    時代16世紀後半

    「天正大判」とは、16世紀の後半に豊臣家の命で製造された大判です。さらに細かく分類すると「天正菱大判金」「天正長大判」「大仏大判」の3つがあります。それぞれの特徴は、以下の表にまとめました。

    特徴買取相場
    天正菱大判金・大判、小判の中では最も価値が高い
    ・上下に刻印された菱形のデザインが特徴的
    数千万円~1億円以上
    天正長大判・長さ約17cm、幅約11cmと世界最大級の金貨 ・本物なら状態が悪くても1,000万円以上の価値が期待できる1,000~3,000万円
    大仏大判・京都の方広寺大仏殿を
    再建設するために作られた金貨 ・天正大判の中では最も
    鋳造枚数が少ない
    500~1,500万円

    慶長大判

    買取相場400~2,000万円
    金の含有量68%ほど
    時代17世紀初頭

    「慶長大判」とは、天下統一の象徴として徳川家康の命で17世紀初頭に鋳造された大判です。特徴は、銅が混ぜられているため黄金色であることです。銅は審美性をもたせるために、意図的に混ぜたと言われています。

    表面に拾両後藤という墨書があるのも特徴的です。相場は400~1,000万円とされていますが、状態がよければ2,000万円の価値がつくケースもあります。なお、笹の葉のような墨書きが特徴的な「慶長笹書大判金」は、とくに高く評価されています。

    元禄大判

    買取相場1,000~3,500万円
    金の含有量52%ほど
    時代17世紀後半

    「元禄大判」とは、17世紀後半の元禄8年に発行された大判です。慶長大判と同じく角張った楕円形が特徴的です。金品位が50%ほどにまで下げられ、江戸期の大判の中ではかなり大量に鋳造されました。

    しかし、現存する枚数が少なく、買取相場は1,000~3,500万円と現代では高い価値がつきます。

    享保大判

    買取相場150~500万円
    金の含有量68%ほど
    時代18世紀半ば

    「享保大判」とは、18世紀半ばの享保10年に発行された大判です。楕円形ですが、慶長大判よりもやや丸みを帯びているのが特徴的です。享保大判からは、「大判1枚あたり7両2分」と初めて貨幣のレートが設定されました。

    享保大判は、流通期間が長く何度も認換がされています。そのため、元書きの享保大判は非常に貴重で500万円ほどの価値がつく場合もあります。

    天保大判

    買取相場150~550万円
    金の含有量67%ほど
    時代19世紀半ば

    「天保大判」とは、19世紀半ばの天保9年に発行された大判です。享保大判によく似ていますが、少し金品位が少ないといった違いがあります。模様が太く、上下左右に押されている極印も違うので確認してみてください。

    天保大判は1,887枚しか鋳造されていないため、非常に希少価値が高い大判と言われています。しかし、墨書きの書き直しにより相場が変動しやすいため注意しましょう。

    駿河墨書小判

    買取相場100~数千万円
    金の含有量84%ほど
    時代16世紀後半

    「駿河墨書小判」とは、16世紀後半の文禄4年に鋳造されたと言われている小判です。日本最古の小判とされており、歴史的な価値が非常に高いのが特徴です。状態によっては、数千万円の価値がつきますよ。なお、肩がなく、丸い楕円形をしているといった特徴もあります。

    武蔵墨書小判

    買取相場100~数千万円
    金の含有量84%ほど
    時代16世紀後半

    「武蔵墨書小判」とは、16世紀後半に鋳造された小判です。駿河墨書小判と並んで最古と言われています。特徴は、楕円形で駿河墨書小判よりも少し重いことです。「武蔵壹兩光次」という墨書きが施されているといった特徴もあります。

    元々鋳造枚数が少ないのに加えて、新たな貨幣鋳造のために回収されたので、武蔵墨書小判には非常に高い価値がついています。状態がよければ、数千万円の価値がつく場合もありますよ。

    慶長小判

    買取相場数十万~170万円
    金の含有量84%ほど
    時代17世紀初頭

    「慶長小判」とは、17世紀初頭に鋳造された小判です。江戸幕府が発行しました。特徴は金の含有量が84%と高く、他の小判よりもサイズが大きいことです。慶長小判は、「江戸座」「京座」「駿河座」などと制作場所や極印によって種類が細かく分けられます。

    天下を取った徳川家の威光を全国に示す金貨として歴史的価値が高く、100万円以上の価値がつく場合もあります。

    元禄小判

    買取相場30~100万円
    金の含有量57%ほど
    時代17世紀後半

    「元禄小判」とは、17世紀後半の元禄8年に鋳造された小判です。元禄の改鋳を象徴する金貨で、貨幣の流通を増やす目的で改鋳されたと言われています。金の産出が不足していた時代に改鋳した小判なので、金の含有量は57%と少なめです。

    そのため、買取相場は30~100万円と他の小判に比べて少し低めです。

    宝永小判

    買取相場50~100万円
    金の含有量84%ほど
    時代18世紀初頭

    「宝永小判」とは、18世紀初頭の宝永7年に鋳造された小判です。「乾字金」や「宝永金」とも呼ばれています。一つ前に鋳造された元禄小判は脆く折れやすいといった理由で、宝永小判の金の含有量は慶長小判と同じ84%に戻されました。

    しかし、金の産出不足の問題はまだ解決されておらず、大きな小判は作れません。そのため、宝永小判は慶長小判よりも少し小さく作られています。買取相場は、大体50~100万円です。

    大判・小判のおすすめ買取業者についてはこちらの記事を確認してみてください。

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  • 大判・小判の価値はどのように決まる?

    大判と小判の価値は、素材・コレクター需要・保管状態の3つで決まります。それぞれについて説明しますね。

    素材

    大判と小判は、金と銀の合金によって作られています。どのくらい金が含まれているかは、大判・小判の種類によって異なります。金の含有量の目安は買取相場の段落で記載しているので、参考にしてください。

    一般的に金の含有量が多いほど素材としての価値は高まります。なお、大判・小判はすべて手作業で鋳造されており、まったく同じ種類でも金の含有量は微妙に異なります。これによって実際の買取価格は変動しますが、異常なことではないので安心してください。

    コレクター需要

    コレクターは希少価値が高い大判・小判をコレクションする傾向があります。そのため、市場に中々出回らない大判・小判は高い価値がつきやすいですよ。例として挙げられるのが、天正菱大判です。

    この大判は現在6枚しか発見されていません。その結果、スイスのオークションでは110万スイスフラン(当時のレートで1億4,300万円)で落札されました。

    保管状態

    大判・小判には、美術品としての価値を求める人もいます。そのため、状態がよい大判・小判は高値で売れる傾向がありますよ。分かりやすいのが極印です。極印が判別可能だったり欠けていなかったりすると状態がよいと判断されて、高値で買取される傾向があります

    大判・小判には数千万円の価値がつくことも

    今回は、大判と小判の価値について説明しました。大判と小判にはかなり高い価値がついています。低いものでも数十万円、高いと数億円の価値がつきますよ。そのため、大判・小判をもっているなら一度買取査定に出してみましょう。

    最近は無料で査定してくれる業者が増えているので、査定だけであれば損はしませんよ。

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